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2004年3月

2004年3月30日 (火)

『雪沼とその周辺』 堀江敏幸

0238625200001.jpg しみじみと余韻が残る、是非とも一読をお勧めしたい短編集。

雪沼は、山あいの架空の町。そこにひっそりと生きる市井の人々の人生が丁寧に描かれている。著者のいつもの視線は健在だ。文明を拒むがごとく、自分のこだわりの物、なじみの物に囲まれて、ひっそりと生きる人。それぞれの人の心にしまわれた大事な時間と別れ。生きている以上、すべての人に、他人には伺いしれない葛藤や、心が大きく動いた瞬間や、こだわりがある。それが人生なのであり、それぞれの人間はそれぞれのこだわりの中で、それぞれの生き方で、それぞれの思いを抱えて生きてゆくもの。読後、そんな当たり前のことをしみじみと改めて感じる、味わいと余韻のある珠玉の短編集だった。

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2004年3月26日 (金)

『ららら科學の子』  矢作俊彦

0236535300001.jpg 1968年、学生運動の最中に警官の殺人未遂で指名手配され、中国に逃亡した主人公が、蛇頭の手引きで30年後、50歳になって日本に帰ってくる。60年代の記憶を蘇らせながら、今の東京を眺める「彼」の目に映る東京の描写は、克明で、あまりにも薄汚れている。日本は何を求めてここまで来たのだろう。浦島太郎の目で見る21世紀の日本は、ちっとも魅力的ではない。滑稽に見える。読んでいて哀しさが募る。

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「藤原新也の聖地」

「藤原新也の聖地」 旅と言葉の全軌跡
   2004.3.18-30 大丸ミュージアム

これほど雄弁な写真があるのか。私は心のどこかで、よりストイックな写真を想像していたのかもしれない。写真に言葉を重ねるスタイルの写真集。そしてメメント・モリ。死、自己からの解放、西洋文明の否定とアジアへの思い、画一化の否定、大量生産の否定。そんなイメージを重ね合わせて私がつくり上げていたもの。それを見事にくつがえす、命にあふれた世界だった。

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2004年3月22日 (月)

『ツ、イ、ラ、ク』 姫野カオルコ

0237585900001.jpg
姫野カオルコの直木賞候補に選ばれた作品。私にとっては初めて読む著者。恋愛小説らしいということ以外、何の予備知識もなく読み始めた。

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2004年3月14日 (日)

『お母さんの恋人』 伊井直行

0231717100001.jpg bk1に書評を投稿した。(こちら

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2004年3月12日 (金)

書評本の執筆に参加しました!

0241491600001.jpg すばる舎から、上記の本が刊行されます。bk1に日頃投稿している評者たちが、それぞれ1編ずつ書評を書いたものです。私、とみきちは、堀江敏幸さんの『いつか王子駅で』について書かせていただきました。日頃投稿するのとは全く違った緊張感と、日頃の字数の3割増ぐらいの長さに戸惑い、なかなか苦労しました。

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『ZOO』 乙一

0233771700001.jpg 今、話題の人、乙一(「おついち」と読みます)の話題作を読んでみた。帯には、北上次郎さんの「何なんだこれは。」という言葉が踊り、「第3回本格ミステリ大賞受賞後第1作。天衣無縫、驚天動地。ジャンル分け不能。脅威の天才乙一、最新短編集!」とある。鳴り物入りだなぁ。ミステリについて語る資格のない私なので、単なる本好きの本読みとして感想を述べてみると……。

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2004年3月11日 (木)

『本を読む前に』 荒川洋治

0169562400001.jpg 「荒川ブーム」は終わらない。
昨年末に『忘れられる過去』というエッセー集を読んで瞠目。なんでこの人に出会わなかったのだろう!と思って以来、さかのぼる形で、荒川さんの著書を読みあさっている。もちろん詩人であることは知っていたけれど。
ちなみに、その後『夜のある町で』『言葉のラジオ』『文学が好き』『読書の階段』、そして、本書『本を読む前に』という溺れぶり。

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「新撰組とその時代」 浅田次郎氏講演

 調布市及び市の財団、協会主催の講演会。新撰組の近藤勇の生誕地調布では今、「ちょうふ新撰組フェスタ」なるものを展開中。その一環で、生涯学習講演会でこのようなテーマが選ばれたわけ。往復葉書で応募したのであるが、なんと2.7倍の高倍率だったそうである。

 新撰組は130年前の話であるが、自分の家系の中で考えてみると、例えばひいおじさんぐらいの時代に当たり、実は今に非常に近い歴史なのであるという話から始まった。

 

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2004年3月 9日 (火)

『読書の階段』 荒川洋治

0169683000001.jpg 今、私は「荒川ブーム」である。
何を読んでも嬉しい。何を読んでも楽しいのだけれど
なかでも、本について書かれたものが最高。
本書は、既発表の書評81編をまとめたもの。

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2004年3月 8日 (月)

通し狂言『加賀美山旧錦絵』

これぞまさに大衆芸能の極みであった!!

チケットをいただいての歌舞伎見物。
国立劇場は、つい先日、文楽を見に行ったばかり。
月曜日のお昼前とあって、観客の年齢層はかなり高いせいか
人が大勢いても、それほどの人口密度と感じない。

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2004年3月 6日 (土)

初めての投稿です

まだ右も左もわからない状態です。
でも、とりあえず書き込みをして、サイトを開始しなければ。

bk1のブリーダープログラムに申し込んだのですがリンクのはり方すらわからない。
でも、少しずつ中身を増やしていく予定。新しいことを始めるのって、わくわく!!

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