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2004年4月

2004年4月28日 (水)

『グラジオラスの耳 作品集』 井上荒野

0227038800001.jpg 先日読んだ川上弘美の『ニシノユキヒコの恋と冒険』のトラックバックをbk1.jpのサイトに送ろうとしたら、そこに既に送られていた田川ミメイさんのトラックバック。それをたどってお邪魔してみました。こちらです。bk1の『熱い書評……』では、川上弘美の『センセイの鞄』の書評を書いていらっしゃるミメイさんが、そこに対置させていたのが『潤一』。作者は井上荒野。読んだことないぞ。これはおもしろそうということで……

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2004年4月26日 (月)

書評の立ち位置

bk1の書評の鉄人であり、『熱い書評から親しむ感動の名著』では、吉田満の『戦艦大和の最期』についての書評を寄せておられる栗山光司さん(ハンドルネーム葉っぱ64さん)は、bk1に投稿された書評の中で、書評を書く姿勢について考察されています。(こちら)栗山さんと私の書評の書きぶりには、大きな違いがあると思いますが、ここに書かれている気持ちに、共感する部分はたくさんあります。私はいつも、本を読み終えて何か文章を書くたびに、「書評」というもののあり方と自分の立ち位置に、確信が持てずにいます。

(栗山さんのブログは、このブログの左のサイドバーでリンクも張ってあります。♯葉っぱがアフォード♪阿呆ダンス♪♪)

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2004年4月25日 (日)

『ニシノユキヒコの恋と冒険』 川上弘美

0238625000001.jpg ああ、また未読の川上弘美の本が減ってしまった。もったいない。できるだけとっておきたいのに。

これまで周到に隠されていた(というわけでもないか)川上弘美の本領が、この本ではかなり見えてきた。「あわあわと」「しんしんと」なんていう表現と、つかみどころのない雰囲気に、うっかりすると、ほんわりとした、のんびりとした、あんまり物事を突き詰めない、マイペースの、社会的でない感じで作者をとらえていたとしたら、それは大間違いだったということがわかるのだ。

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2004年4月23日 (金)

『ハネムーン』 吉本ばなな

0190845800001.jpg ちょっと読み落としていたばなな作品。

カバーの紹介をまんま写すと……

「世界が私たちに恋をした――。別に一緒に暮らさなくても、二人がたどる道はいつも家路で、二人がいる所はどこでも家だ……。
 互いでしか癒せない孤独を抱え、剥き出しの世界へと歩き始めた恋人たちの旅立ちを描く。限りない清らかさと生きることの痛みに彩られた静謐な愛の物語。」

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2004年4月21日 (水)

『草の上の朝食』 保坂和志

0195423700001.jpg 『プレーン・ソング』の続編。私の保坂和志体験としては、『書きあぐねている人のための小説入門』『季節の記憶』『プレーン・ソング』についで4作目。

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2004年4月20日 (火)

『夏の栞』  佐多稲子

私は何事につけ、物事の体系的把握が苦手である。断片的に得た知識が、頭の中で秩序をもって並ぶことがない。日本の文学史を俯瞰したいと思ったときにも、その傾向が邪魔をする。そういう私の助けになってくれるのが、『追悼の達人』『坊っちゃんの時代』『日本文学盛衰史』などの書物。つまり、過去の文学者たちが生き生きとそこに動き回る様子を感じさせてくれる、そういう書物に助けてもらうことで、初めて自分の中に確かな位置づけが生まれてくるのである。

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『同時代を生きて』 その2

0241560800001.jpg さまざまな話題の中で、そうそう、この話、もっとよく知っていたら面白いのよねと思った話。それは、武田泰淳・百合子夫妻と埴谷雄高の関係。有名な話だけれど。

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2004年4月19日 (月)

『同時代を生きて ―忘れえぬ人びと―』 瀬戸内寂聴 ドナルド・キーン 鶴見俊輔

0241560800001.jpg あらゆる意味でものすごい鼎談です。3人とも大正11年(1922年)生まれ。鼎談当時、81歳!! この3人の巨人が、しゃべる、しゃべる。

章立てとしては
 Ⅰ 老いを生きる――文学の可能性
 Ⅱ 同時代の人びと――思い出すこと
 Ⅲ 伝統について考える

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2004年4月18日 (日)

絲山秋子さん、川端康成文学賞受賞

「袋小路の男」(群像12月号)の受賞が決まったそうです。おめでとうございます!

絲山さんのサイトの中の「何様日記」に書かれていました。この日記、ぶっきらぼうで面白いです。『イッツ・オンリー・トーク』のぶっきらぼうさ加減というか、さばさばした感じは、この作家の本来の文章だったのだと納得する日記です。繊細さの裏返しの、開き直りかなぁという感じが・・・。自分を客観視して、笑いのめすことができる人は、最強です。

http://www.geocities.co.jp/Bookend-Akiko/9882/nani17.html

川端康成文学賞の受賞作品というのは、いろんなカラーがありますね。

http://www.e-hon.ne.jp/bec/SC/PrizeInform?SHOUCD=014

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『プレーンソング』 保坂和志

0002256800001.jpg 続編の『草の上の朝食』を読んでから、この記事を書くべきなのかもしれないけれど、読み終えた時に書いておくことを習慣にするために一応……。

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『ゼラニウム』 堀江敏幸

0211695300001.jpg 女性との偶然の出会いをテーマにした、連作短編集。この作者の作品にしては珍しく、官能の匂いもほのかに感じられる。私の一番のお気に入りは「アメリカの晩餐」、そして次は「さくらんぼのある家」。

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2004年4月17日 (土)

『きょうのできごと』 柴崎友香

0241731900001.jpg 先日、「エクウス」を見た帰り、ビールを飲みながら、芝居の話や本の話をしていたら、友人のY子が「読み終えたけど、面白かったよ」と手渡してくれたのがこの本だった。柴崎友香という名は知らないはずなのに、カバーに見覚えが・・・。最近、記憶の混濁が激しいので、多分勘違いだろうと思っていたが、実はそうじゃなかったことが帰宅後に判明。bk1のサイトで葉っぱ64@栗山光司さんが書評を投稿されていたのだった。納得。

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2004年4月16日 (金)

『熱い書評から親しむ感動の名著』 bk1 with 熱い書評プロジェクト

0241491600001.jpg 発売になりました。とても嬉しいのだけれど、いいんだろうか、こんな文章にお金を払ってもらって・・・という気持ちが正直なところ。自由に投稿するときよりも、自分のサイトに書き込むときよりも、さまざまなルールを自分なりに課して書いたとはいえ・・・。

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2004年4月15日 (木)

「カケラとうつわ」 三谷龍二+PERSONA STUDIO

「カケラとうつわ」 三谷龍二+PERSONA STUDIO

中央線の西荻窪駅北口のバス通りを真っ直ぐ北上します。善福寺川を越えると緩やかな上り坂になり、左手に東京ガスの敷地があります。その敷地を過ぎると、左手に目指すギャラリーはありました。徒歩10分程度の道のりでした。

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『エクウス』 劇団四季創立50周年記念 自由劇場柿落とし公演

『エクウス(馬)』 劇団四季創立50周年記念 自由劇場柿落とし公演

http://www.shiki.gr.jp/applause/equus/

普段見るのは下北沢本多劇場で、加藤健一のお芝居などが中心。劇団四季は初めてというのは、結構珍しい人間かな。もともとミュージカルが苦手なので……。この『エクウス』はストレート・プレイだし、招待券が手に入った友人が誘ってくれたので、行ってまいりました。

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2004年4月13日 (火)

素敵な人を見つけました。それは三谷龍二さん

素敵な人見つけました! それは三谷龍二さん。

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上記の3作の装幀を担当したのが、三谷龍二さん。
一度見たら忘れられない装幀だった。
西荻の展示会、まだやってますね。行かなくちゃ。

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2004年4月12日 (月)

『東京~奄美 損なわれた時を求めて』 島尾伸三

0241692200001.jpg 『月の家族』には、島尾敏雄・島尾ミホを両親に持ったがゆえの、心の平穏が約束されない少年の哀しみや心の傷がそこここに描かれていた。本書は、中年を過ぎ、初老の年齢にならんとする作者による、母が住む奄美までの各駅停車の東海道線での旅を、写真と文章とで綴ったエッセイである。写真に付されている文章は、観念的なものが多く、本文は、平易な、丁寧な文体で、なるべく目で見た事柄を、考えた事柄を、まるで子どもの頃の日記のように、正確に書き取ろうとしているように感じられる。

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2004年4月10日 (土)

『季節の記憶』 保坂和志

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『季節の記憶』
 保坂和志  中公文庫  1999年刊行
 (講談社の単行本は1996年)

bk1評者でもあり、偶然私のブログにカキコしてくださった葉っぱ64さん(栗山光司さん: ブログの#葉っぱがアフォード♪阿呆ダンス♪♪は、このブログともリンクしています)のお勧めと、先般読んだ『小説の未来』(加藤典洋著)の中で扱われていたこと、この二つの条件が重なったので、本書を読んでみた。何を読むかを考えるとき、もちろん自分の好みで選ぶのが基本だけれど(義務で読むことはしない)何かの偶然が重なって、「さあ、読みなさい」と言われているような状況になってくる本がたまにある。そういうときは、なるべくその流れにさからわず、従うようにしている。

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2004年4月 8日 (木)

『イッツ・オンリー・トーク』 絲山秋子

0240813900001.jpg 「イッツ・オンリー・トーク」「第七障害」の2篇を収める短編集。前者で第96回文學界新人賞受賞。第129回芥川賞候補となる。作者は1966年生まれ。

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2004年4月 7日 (水)

『日本文学盛衰史』 高橋源一郎

0203248700001.jpg まだ読み始めたばかりの本について、ルール(自分で決めただけのもの)を犯してちょっと書き込み。

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2004年4月 4日 (日)

『月の家族』 島尾伸三

0144506500001.jpg 著者は、『死の棘』の島尾敏雄と島尾ミホの長男で写真家。幼い頃の記憶をたどり、物を集めたり、いたずらをしたりした奄美大島での記憶を描いた短い文章を集めた本。

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2004年4月 3日 (土)

『スズキさんの休息と遍歴 または かくも誇らかなドーシーボーの騎行』 矢作俊彦

めちゃくちゃ笑いました。いや~、こんなにおかしい本は久し振りです。(なのに、単行本も文庫も今、品切れなのね)

『ららら科學の子』の矢作俊彦。またまた得意のさかのぼり方式で、10年以上前の本書を読む。テーマは『ららら』と同じ、学生運動の時代と現代(この場合は1990年ですね)とが、一人の主人公を通して、直接対比される。いやはや、面白い本でありました。本文全体がおとぎ話風で、ポップなサブカルチャーの乗りで書かれています。著者本人の手によるイラストや、文字を手書きで大きく漫画チックにしたり、色をつけたりしています。

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2004年4月 1日 (木)

『奈良登大路町 妙高の秋』 島村利正

0239979000001.jpg 島村利正。知る人は少ないかもしれない。1912年生まれ、1981年没。未知谷という出版社から没後20年の2001年に全集が出版されている。今、この紹介文を書くに当たり、bk1に既出の書評があるかと調べてみたら、なんと故ヤスケンの書評を発見した。私は、堀江敏幸の『いつか王子駅で』を読んで作家を知り読んでみたわけだが、上記ヤスケンの書評の中にもやはり堀江氏が登場していた。信頼する読み手の紹介だからこそ、読んでみようという気持ちになるのである。何においても、水先案内人の存在は不可欠。その意味からも、ヤスケンの死が大いに惜しまれる。

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