« 『ヌルイコイ』 井上荒野 | トップページ | 『吾妹子哀し(わぎもこかなし)』 青山光二 »

2004年5月 7日 (金)

『美よ永遠(とわ)に』 Keats, my genius  青山光二

0157328800001.jpg 任侠の世界を主に描いてきた著者が、アルツハイマーになった妻の介護をテーマに夫婦愛をうたいあげた『吾妹子哀し』で、川端康成文学賞を90歳で受賞したのは記憶に新しい。それを読む前に、この作家が任侠以外にどんな作品を書いているのか、まずは本書と『麗人』を読んでみることにした。

帯には「天才詩人の愛とエロスと生の軌跡 薄命のロマン派詩人キーツを追う175年前への華麗な旅」というキャッチコピー。さらに「ただひとりキーツを天才詩人だと見抜いていたイザベラ・ジョーンズ夫人。彼がこの年上の美貌の夫人と過した運命の夜を際限し、長編詩『エンディミオン』『聖アグネス祭前夜』を完成させるまでの詩人の心の奥をさぐりながら、その愛とエロスと生の真相に迫る。キーツの魅力に憑かれた作家が、十九世紀初頭の英国と現在を往還するかのごとく描く魂の交響曲。」

キーツの詩。一つも思い描くこともできないけれど、青山光二については、「作家にとって取材は命」といったインタビューも、インターネットで見つけたこともあり、(こちらをご参照)期待しつつページを繰った。

でも・・・多分消化し切れなかったのだろうと思う。取材も十分したのだろうし、キーツの詩の生まれた瞬間が、きっと作家の脳裏には浮かび上がったに違いないのだが、読む者も一緒に酔わせてくれるだけの作品にまとまっていなかった。残念。映画の一幕のように、具体的な光景が目に浮かぶような描写もあったのだけれど、いかんせん、キーツの詩そのものの魅力も伝わってこなければ、キーツという人間の魅力も伝わってこなかった。私にキーツの詩に対する事前の知識がないのがいけないのだとすれば、このような感想は作家に申し訳ないのであるが。

『麗人』と『吾妹子哀し』に期待しよう。

bk1にGO
アマゾンにGO

|

« 『ヌルイコイ』 井上荒野 | トップページ | 『吾妹子哀し(わぎもこかなし)』 青山光二 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/21746/555087

この記事へのトラックバック一覧です: 『美よ永遠(とわ)に』 Keats, my genius  青山光二:

« 『ヌルイコイ』 井上荒野 | トップページ | 『吾妹子哀し(わぎもこかなし)』 青山光二 »