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2005年1月

2005年1月28日 (金)

『三島由紀夫レター教室』 三島由紀夫

三島由紀夫レター教室(ちくま文庫)
三島由紀夫著

出版社 筑摩書房
発売日 1991.12
価格  ¥ 546(¥ 520)
ISBN  4480025774

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さすが戯曲を書く三島由紀夫、性格づけと役回りの明確な人物造形がうまい。それより何より、このウイットって日本人離れしてるなぁと感心した。なんだか翻訳劇を見ている時のようで、あの独特の感覚を思い出しながら、楽しく読み進んだ。

作品は、「登場人物紹介」からはじまる。

このレター教室は、すこし風変わりな形式をとります。五人の登場人物がかわるがわる書く手紙をお目にかけ、それがそのまま、文例ともなり、お手本ともなる、というぐあいにしたいと思います。

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2005年1月26日 (水)

『家守綺譚』 梨木香歩

家守綺譚
梨木香歩著

出版社 新潮社
発売日 2004.01
価格  ¥ 1,470(¥ 1,400)
ISBN  4104299030

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 この本は、絶対に私は好きな本に違いないと思っていた。読み始めた瞬間に、ああ、やっぱり好きだと思った。匂いがしていた。感想を書くのがもったいない。言葉にして「いいよ、いいよ」と勧めたい本と、「よかったなぁ」と心のなかで味わう本とあるとしたら、本書は断然後者だ。

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2005年1月23日 (日)

『南の島に雪が降る』 加藤大介

南の島に雪が降る(知恵の森文庫)
加東大介〔著〕

出版社 光文社
発売日 2004.08
価格  ¥ 780(¥ 743)
ISBN  4334783058

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著者の加藤大介は俳優。兄は沢村国太郎、姉は沢村貞子。浅草生まれの芝居一家に育った人物。本書はその加藤大介の唯一の著書であり、従軍記である。しかし戦闘の記録ではなく、芝居の記録である。南の島、すなわちニューギニアにおいて、飢えとマラリアと、いつ果てるとも知れない「百年戦争」への絶望の中で過ごした2年半、数少ない経験者をもとに、大道具係や衣装係、脚本担当など、少しずつ人を集めて、素人演劇団をつくる。それがだんだんと本格化してゆき、しまいにはニューギニアにいる7,000人もの将兵を相手に、毎日毎日演目を演じ続けて終戦を迎える。信じられないような日常と非日常。戦争が庶民に突きつける現実の過酷さにおののき、他方、窮境に陥った人間を救うのは想像的な時空間なのだ、ということも強く感じる。

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2005年1月21日 (金)

『最悪』 奥田英朗

最悪(講談社文庫)
奥田英朗〔著〕

出版社 講談社
発売日 2002.09
価格  ¥ 920(¥ 876)
ISBN  4062735342

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スピード感のある犯罪小説、エンタメ小説。小さな鉄工所社長の川谷、銀行員のみどり、パチンコやかつあげで日々をしのいでいる和也。日々に悩みや不満を持ちながらも、それなりに普通に暮らしていたこの三人それぞれ、引く札、引く札、全部裏目に出ていって、その集積が大きくなり、犯罪者になってゆく。そして無縁だったはずの三人が出会って……という展開。

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2005年1月16日 (日)

『戦争が遺したもの』 鶴見俊輔・上野千鶴子・小熊英二

戦争が遺したもの
鶴見俊輔著・上野千鶴子著・小熊英二著

出版社 新曜社
発売日 2004.03
価格  ¥ 2,940(¥ 2,800)
ISBN  4788508877

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読んで良かった。本当に良かった。帯より。「今こそ、すべてを話そう アメリカでの投獄、戦時下の捕虜虐殺と慰安所運営、60年安保とベトナム反戦、丸山眞男や吉本隆明との交流……。戦争から戦後を生き抜いた知識人が、戦後60年を前にすべてを語る。」

小熊英二と上野千鶴子が、3日間にわたって鶴見俊輔の話を聞き、すばらしい鼎談本に仕上げたもの。妥協しない三者の知的な対決と、互いの持つ深い尊敬の念が、読者の心を打つ。

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2005年1月14日 (金)

芥川賞・直木賞

決まりましたね。

 芥川賞  『グランド・フィナーレ』  阿部和重
 直木賞  『対岸の彼女』      角田光代

うーん、見事に一作も読んでいない作家であります。して、楽しみなのは、テルちゃん初め、選評でございますな。えー、授賞式は2月18日ですね、楽しみ楽しみ。って、私、そういえば、いまだに綿矢りさも、金原ひとみも、吉村萬壱も、ぜーんぜん読んでいないのです。これではテルちゃんを笑えません。いつかは読まなきゃね~。

しかし、文学賞の選考委員をしている阿部和重が、今さら芥川賞かぁ。朝日新聞にまで、「村上春樹と島田雅彦に授賞しそびれた反省」なんてことを書かれているのがおかしい。一生引き合いに出されるこの二人も気の毒であります。

こちらは、直木賞の非公式サイトです。

追記 葉っぱ64さんのご紹介による、上記2賞に関する考察が興味深いサイトはこちらこちら(同じ方のサイトで2日間の記事です)

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2005年1月 8日 (土)

『西の魔女が死んだ』 梨木香歩

西の魔女が死んだ(新潮文庫)
梨木香歩著

出版社 新潮社
発売日 2001.08
価格  ¥ 420(¥ 400)
ISBN  4101253323

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梨木香歩の作品を初めて読んだ。とても評判のいいこの作品、bk1の紹介文は「中学校へ行けないまいは、祖母のもとで「魔女修行」をすることになった。それは、何でも自分で決めるということ…。児童文学者協会新人賞などを受賞した、生きる力を与えてくれる癒しの児童文学。」とある。

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2005年1月 7日 (金)

『がんばれ仏教!』 上田紀行

がんばれ仏教!(NHKブックス 1004)
上田紀行著

出版社 日本放送出版協会
発売日 2004.06
価格  ¥ 1,218(¥ 1,160)
ISBN  4140910046

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 著者は文化人類学専攻の学者で、在家の人である。しかしスリランカ仏教、サルボダヤ運動との個人的な出会いをきっかけに、さまざまな宗教人との交流を持つようになり、現在は、港区の愛宕にある青松寺で「仏教ルネッサンス塾」を主宰している。葬式仏教と言われ、人々の心や生活からかけ離れてしまっている仏教が、いま何をしなければいけないのか。そんな問いへの答えを見つけるために、個性的な活動をしているお寺や住職、また海外の仏教事情を紹介している。

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2005年1月 4日 (火)

『ナショナリズムの克服』 姜尚中 森巣博

ナショナリズムの克服(集英社新書 0167)
姜尚中著・森巣博著

出版社 集英社
発売日 2002.11
価格  ¥ 735(¥ 700)
ISBN  4087201678

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 ブログにアップするに当たり、bk1のサイトを覗いてみたところ、激しく賛否両論に分かれていた。それはそうだろうと思う。日本について、ナショナリズムについての本であれば、「面白かった」「感動した」というたぐいの感想がアップされているはずがなく、思想の違いによって意見が明確に分かれるのは当然。

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2005年1月 3日 (月)

『アフターダーク』 村上春樹

アフターダーク
村上春樹著

出版社 講談社
発売日 2004.09
価格  ¥ 1,470(¥ 1,400)
ISBN  4062125366

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 『風の歌を聴け』からずっと、村上春樹の小説は、出れば必ず読んできた。短編小説には佳作が多い。長編小説では『羊をめぐる冒険』と『世界の終りとハードボイルドワンダーランド』が好き。『ねじまき鳥クロニクル』は全く納得できず、『海辺のカフカ』も、私としてはNG。本書は、長さ的には中編と言えるのかな。全体の印象は『世界の終り』にやや近いと言えるだろうか。

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