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2005年4月

2005年4月26日 (火)

『先生はえらい』 内田樹

先生はえらい
先生はえらい
posted with 簡単リンクくん at 2005. 5. 5
内田 樹
筑摩書房 (2005.1)
通常24時間以内に発送します。

面白かったなあ。タイトルに偽りあり、だったけど(笑)。確信犯的に脱線していって、最後にはちゃんと「先生はえらい」という話に落着する。でも、キモは、「先生」ではなくて、「コミュニケーション」でした。先生に何を期待しているのか、いい先生とはどんな先生か、いい先生に会うことと恋愛相手を見つけることは同じと言えるのは何故か、人間が恋に落ちるのは何故か、話したかったことを初めて話すことができたと思う心の仕組みとは何か、等々、すべて人間のコミュニケーションの問題として説明されている。

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2005年4月25日 (月)

『バッテリーⅥ』 あさのあつこ

バッテリー
バッテリー
posted with 簡単リンクくん at 2005. 4.25
あさの あつこ / 佐藤 真紀子
教育画劇 (2005.1)
通常24時間以内に発送します。

ついに完結! 中学生にしては大人っぽい主人公たちではあるけれど、自分の体の中にある欲求や思いと、世の中からはめられる枠や期待される像との狭間で、自分の心をうまく表現するための言葉が見つけられない彼らは、それぞれのやり方で葛藤する。しかし、葛藤の発露が「野球」という形で見いだせているからこそ、迷いながらも、傷つきながらも、自分自身も含めて、人の長所や弱さを認めることができるようになっていく。天才ピッチャーである巧(たくみ)も、天才ではないけれど、豊かな心を持ち、大きなやさしさを持った豪(ごう)も、野球に求めるものは違っていても、自分の姿勢を貫き通すことによって、言葉に出さなくても心の底で相手を信じ、ありのままの相手を受け入れられるようになる。

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『エリザベス・コステロ』 J.M.クッツェー

エリザベス・コステロ
鴻巣 友季子 / Coetzee J.M.
早川書房 (2005.2)
通常24時間以内に発送します。

ノーベル文学賞受賞作家の小説、なんだけど、これは本当に小説なのかなあ、という印象がまず第一。小説の形をかりた文学論議、とでも言えようか。かなりの理屈先行で、この感覚はやや古臭いです。こなれていないと言いましょうか、青臭いと言いましょうか。

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2005年4月21日 (木)

『人気の本、実力の本』 荒川洋治

人気の本、実力の本
荒川 洋治
五柳書院 (1988.6)
この本は現在お取り扱いできません。

だいぶ昔の本である。bk1には現在在庫がないそうだし。84~88年にかけて多様な場所に書かれたものを集めたもの。今よりもう少し長いセンテンスが多いし、自分のことを割合素直に、自信を持って語っているところがあるのは、今となっては目新しい。現在の荒川洋治は、自分について肯定的に書くことは皆無と言ってよいほどであるから。

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2005年4月19日 (火)

『田辺聖子全集』 第9巻

田辺聖子全集 9
田辺 聖子
集英社 (2005.2)
通常24時間以内に発送します。

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2005年4月18日 (月)

『オルファクトグラム』上・下 井上夢人

オルファクトグラム
井上 夢人
講談社 (2005.2)
通常24時間以内に発送します。
オルファクトグラム
井上 夢人
毎日新聞社 (2000.1)
通常2~3日以内に発送します。

このジャンルのものをほとんど読んだことのないなかでの感想だから、この本の相対的な位置はよくわからないが、発想が面白く、また、それが単なる思いつきで終わらずに、ストーリーをしっかり引っ張っている、と感じた。

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2005年4月15日 (金)

『日記をつける』 荒川洋治

日記をつける
日記をつける
posted with 簡単リンクくん at 2005. 4.15
荒川 洋治
岩波書店 (2002.2)
通常2~3日以内に発送します。

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2005年 本屋大賞

本屋大賞
本屋大賞
posted with 簡単リンクくん at 2005. 4.15
本の雑誌社
本の雑誌社 (2005.4)
通常24時間以内に発送します。

第2回目の今年の大賞受賞作は、恩田陸『夜のピクニック』でした。

bk1でも、特集を組んで紹介しています。(こちら

私、本の雑誌社の「本の雑誌」の増刊「本屋大賞2005」を購入いたしまして、自分は読んでいないけど、読んでおくべき本はあるかいな、とぺらぺらと読んでおりました。あっ、はい、そうなんです、大賞受賞作は今のところ「そのうち読む本」リストの中で待機中です。恩田陸を一冊も読んでいないのもまずかろうと思って、友達がこの夜のピクニックを実施している高校の出身者だという理由から、それじゃこの一冊にしましょう、と選んで「待機リスト」入りしているうちに、この本屋大賞受賞とあいなったのです。

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『上司は思いつきでものを言う』 橋本治

上司は思いつきでものを言う
橋本 治
集英社 (2004.4)
通常24時間以内に発送します。

普通のサラリーマンなら、「あれ? うちの会社のこと?」と思うような事例があって、そうそう、そうなんだよ、ってわけで溜飲が下がることと思う。本書は事例として、「美術品ではなく副葬品としての埴輪の製造販売」の会社を舞台に、そこで繰り広げられる愚かな上司(でも、バカにしてはいけない)と賢い部下という基本的な枠組みの中で、こういうことがあるでしょう。そのわけはね……、その対処方法はね……、その歴史的・思想的背景はね……とものすごく懇切丁寧に説明してくれる本である。          

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2005年4月13日 (水)

『逃亡くそたわけ』 絲山秋子

逃亡くそたわけ
糸山 秋子
中央公論新社 (2005.2)
通常24時間以内に発送します。

面白かった。絲山作品を読むのは、『イッツ・オンリー・トーク』『海の仙人』についで3作目。勢いもあり、会話が良く、共感できる、良い作品だなあ。書いた本人も充実感を覚えた作品、なのではないだろうか。

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2005年4月10日 (日)

『今ひとたびの』 高見順

今ひとたびの(河出文庫)
高見 順

出版社 河出書房新社
発売日 2005.01.06
価格  ¥ 651(¥ 620)
ISBN  4309407331

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  「究極のすれ違い文学」と言われるらしい。昭和21年頃に書かれた純愛小説の代表のような小説。高見順は、『敗戦日記』の中で、恋や愛について書くことの許されない状況への批判を書いている。戦後、占領軍の統治下で解禁された喜びから、思いのたけを綴った、自伝的な小説なのだろうか。

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2005年4月 7日 (木)

『ショートカット』 柴崎友香

ショートカット
柴崎友香著

出版社 河出書房新社
発売日 2004.04
価格  ¥ 1,365(¥ 1,300)
ISBN  4309016332

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テーマが共通の連作短編集。とはいっても、主人公はそれぞれ違っていて、「なかちゃん」という男の子だけが共通に登場する。表題作「ショートカット」で、合コンに登場して、自分はワープができるんだとしゃべるなかちゃん。遠く離れた大好きな人に心から会いたいと思ったら、ワープができた、というのだ。東京と大阪とに離れてしまった好きな人を思う主人公たち。離れてしまって、会えなくて寂しいなと思っている彼女たちは、何かをきっかけに、「そんなに遠くないんだ、会いに行こうと思えばすぐに行けるんだ」と気づく。

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『マイ・ストーリー』 山本容子

マイ・ストーリー
山本容子著

出版社 新潮社
発売日 2004.09
価格  ¥ 1,470(¥ 1,400)
ISBN  4104705012

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 一読して、根っからのクリエイター、芸術家タイプだなと。周囲のすべてのものを自分のエネルギーとして取り込むだけ取り込み、作品にしていくタイプ。これまでの生涯を客観的に振り返っているこの作業自体が、自分をもう一歩前進させるための作業、という感じを強く受けた。

「長い長いあとがき」でも触れられているように、よしもとばななの『TSUGUMI』の装幀で一気にメジャーになったのだが、それもこれも、惚れ込んだ人の作品を強烈に世の中にアピールせずにはいられない安原顕の編集者魂があってこそ、であった。安原顕は「リテレール」の表紙を山本容子に依頼していたのだが、いつもいつも「今回も素敵な山本容子さんの表紙が……」とべた褒めだったことを思い出す。

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『となり町戦争』 三崎亜記

となり町戦争
三崎亜記著

出版社 集英社
発売日 2005.01
価格  ¥ 1,470(¥ 1,400)
ISBN  4087747409

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血が流れず、戦闘シーンのない戦争・青春小説、である。第17回小説すばる新人賞受賞作品。さらさら読める。テーマ性は強い。主人公は、例えば佐藤正午の作品に出てきそうな「僕」である。

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『長恨歌 不夜城完結編』 馳星周

長恨歌
馳星周著

出版社 角川書店
発売日 2004.11
価格  ¥ 1,680(¥ 1,600)
ISBN  4048735764

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『不夜城』『鎮魂歌』に続くシリーズ完結編。主人公は武基浩。中国人だが、日本の国籍を買い上げて日本人になりすましている。中国語を流ちょうに話せる日本人として、便利に使ってくれていたボスの韓豪(ハンハオ)が、歌舞伎町で殺される。後ろ盾を失った武は、完璧に隠しているはずの経歴を知り、それを利用して武にイヌ(スパイ)の役割を強制する麻薬取締官・矢島のさしがねで、韓豪を殺したのは誰かを探り始めることに。そこで出会うのが、今や伝説の人となっている劉健一である。悪鬼と恐れられた劉も今や、一介の情報屋になっているようだが……。

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2005年4月 4日 (月)

『マリコ』 柳田邦男

マリコ(新潮文庫)
柳田邦男著

出版社 新潮社
発売日 1983.11
価格  ¥ 620(¥ 590)
ISBN  4101249024

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 マリコとは、日米開戦時に駐米アメリカ大使館の書記官であった寺崎英成と、アメリカ人の妻グエンとの間の一人娘。「マリコの波瀾に満ちた半生をたどると、激動する現代史のうねりに、いつも真正面からぶつかってきた一人の女性の像が、浮び上ってくる。そのマリコの人生は、父と母の時代と一体となって形成されている。マリコについて記すには、両親の時代まで遡らなければならない。」(プロローグより)

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