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2005年5月

2005年5月20日 (金)

『雨にぬれても』 上原隆

雨にぬれても
雨にぬれても
posted with 簡単リンクくん at 2005. 5.20
上原 隆
幻冬舎 (2005.4)
通常24時間以内に発送します。

上原隆は、新しいタイプのノンフィクションを書く人である。それについては、解説の渡辺一史がうまくまとめているから、少々長いけれどまず引用する。

私は、上原さんの仕事を抜きにして、「これからのノンフィクション」は語れないと思っている。(…中略…)「ルポルタージュ・コラム」と上原さん自身が命名している一連の仕事は、この『雨にぬれても』で三冊目だ。これに先行して、すでに『友がみな我よりえらく見える日は』と『喜びは悲しみのあとに』という二冊の文庫が同じ出版社から出ている。

(…中略…)何の予備知識もなかったものの、何気なく手を伸ばしパラパラと読んで、そしてギョッとした。やられたー。完全にやられた、と思ったからだ。「フツウの人を、フツウに描くには、どうしたらいいのか」という、私が思い悩んでいた難問への一つの模範解答を見せられた気がした。

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『間宮兄弟』 江國香織

間宮兄弟
間宮兄弟
posted with 簡単リンクくん at 2005. 5.20
江国 香織
小学館 (2004.10)
通常24時間以内に発送します。

うまいなぁ、お話をつくるのが、という感じ。彼女いない歴=年齢の35歳と32歳の同居している兄弟の話、なんて、それだけで気持ち悪い感じがするけど、ちっとも気持ち悪くない、のである。

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2005年5月16日 (月)

『空中庭園』 角田光代

空中庭園
空中庭園
posted with 簡単リンクくん at 2005. 5.16
角田 光代 / 角田 光代著 / 角田 光代著
文芸春秋 (2002.11)
通常1~3週間以内に発送します。

随分シビアな家族連作小説だなあ。「ラブリー・ホーム」から始まる6篇の短篇は、登場人物や設定は共通で、視点がすべて異なる人間になっている。ちょっとばかり変なふうに力の入った、人工的な印象を受けるけれど、どこにでもありそうな家族の話に思えたものが、視点が変わると、こうも違ったものになるのか、とぞくっとさせられる。日常の中にある落とし穴は、見るからにおどろおどろしい不幸よりもずっと、恐ろしい。

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2005年5月 9日 (月)

『古本極楽ガイド』 岡崎武志

古本極楽ガイド
岡崎 武志
筑摩書房 (2003.9)
通常2~3日以内に発送します。

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2005年5月 8日 (日)

『だれかのいとしいひと』 角田光代

だれかのいとしいひと
角田 光代
文芸春秋 (2004.5)
通常2~3日以内に発送します。

角田光代の作品を読むのは、これが初めて。第一印象は、うまいな、全力を出さずにいろいろなものが書ける人だな、想像したよりも意地悪じゃなく、かつ、病的でもないな、というものだった。一度も読んだことがないのに、なんとなくイメージが先行してしまうことはよくある。そういうときは、自分のなかにできている根拠のないイメージを意識しつつ、なるべく文体に身を任せるようにして読むようにする。一冊読み終える頃には、新しく得たイメージに上書きされている。角田光代の世界が、今日、私の中で始まった。

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2005年5月 7日 (土)

『日本の心を語る』 平山郁夫

日本の心を語る
平山 郁夫
中央公論新社 (2005.3)
通常24時間以内に発送します。

平易な文章で、日本人であることの誇りとあるべき姿を語る本。画家としてだけでなく、文化財保護、国際支援における役割を果たし続ける著者の語る言葉であるだけに、一言ひとことの重みを感じる。死語になりつつある「徳」という言葉を読んで、はっとさせられる。こんな年長者がもっと多くいて、若い人たちに心をこめて語りかけていくことが必要なのだろう。実践と信念を兼ね備えた人の言葉は、奇をてらう必要などみじんもなく、淡々と、しかしぶれがなく、私たちに真っ直ぐ届く。

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『悪童日記』『ふたりの証拠』『第三の嘘』 アゴタ・クリストフ

悪童日記
悪童日記
posted with 簡単リンクくん at 2005. 5. 7
堀 茂樹 / Kristof Agota
早川書房 (2001.5)
通常2~3日以内に発送します。

ふたりの証拠
ふたりの証拠
posted with 簡単リンクくん at 2005. 5. 7
堀 茂樹 / Kristof Agota
早川書房 (2001.11)
通常2~3日以内に発送します。

第三の嘘
第三の嘘
posted with 簡単リンクくん at 2005. 5. 7
堀 茂樹 / Kristof Agota
早川書房 (2002.3)
通常2~3日以内に発送します。

三部作を再読。比類なき傑作。文学としても、読み物としても。故国を失うことによって引き裂かれた人格が、徹底的に感傷を排した文体で描写されている。連作だけれど、巻が進むにつれて、話は微妙に食い違っていく。語られている事柄のうちの、どれが真実で、どれが虚構で、どれが妄想なのか、読者は圧倒され、翻弄され、引き回されるなかで、想像するしかない。

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2005年5月 1日 (日)

『残花亭日暦』 田辺聖子

残花亭日暦
残花亭日暦
posted with 簡単リンクくん at 2005. 5. 1
田辺 聖子〔著〕
角川書店 (2004.1)
通常2~3日以内に発送します。

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