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2006年8月 4日 (金)

『ツレがうつになりまして。』 細川貂々

ツレがうつになりまして。
細川 貂々著
幻冬舎 (2006.3)
この本は現在お取り扱いできません。

漫画家、細川貂々(♀)の実話漫画。しみじみ、むふむふ、じわーっときます。人が他人とともに生きていくことの難しさを考えさせられます。自分は家族に何を期待するのか、自分は家族にとって何なのか。家族とは、夫婦とは。夫って何? 妻である自分って何? そんなことがいちどきに問われる出来事を書いた本、それが「ツレ(夫)がうつになりまして。」なのでございます。おすすめです。

まず、漫画家というのはすごいなぁ、と思った。自分の体験した大変な一大事だったのに、そして、ツレは回復したとはいえ、まだ完治したわけではないのに、その一連の出来事を客体化し、わかりやすくテーマ分けし、笑える話をピックアップし、売れる、読める本に仕上げている。素晴らしい。

自分の内面に深く入り込んで出口が見つからず鬱々とするスタイルの小説家や、「私って凄いでしょう」の自慢タイプの鼻持ちならないライターや、わたし、わたしと言いたがる、自分垂れ流しタイプの人種に比べて、この爽やかさ、しなやかさ、強さはなんだろう。そもそも心が柔軟で、物事を決めつけない、自由な価値観の持ち主なのだろう、と感じ入る。他人と自分の上下をはかる尺度を持たない、空間を漂って生きるタイプの人なのかもしれない。

たぶん、こういう人には、もともと自分にはめている枠がないのだろう。枠がない人は、ルールを重んじる世界においては、しばしば疎んじられる。しかし、うつになったツレを、おもしろがったり、心配したり、面倒くさい病気だと思ったり、たまにはイジワルをしてしまったり、おろおろしたり、うちに人がいるっていいなぁと結構ほっこりしたりする主人公の人間らしさ、たくましさを見よ。

ツレはしょっちゅう、布団にもぐりこんではしくしく泣く。えっ、今度は何?!と思いながらも、そのときのさまを「かめふとん」と書き、わけのわからない病気だから、「宇宙カゼ」と呼ぶことにして笑い飛ばす。

しかし実は貂々さんは、心のなかでしっかりといろいろなことを感じているのです。

私は小さいときからうしろ向きな性格 ヒマさえあれば落ち込んでグチをこぼす毎日 ツレにもずいぶんやつあたりをしてきました でもツレが病気になり 今は逆の立場 一日中解決できないグチをエンドレスで聞かされる (うっとーしー)でも私ずっとツレにこういう態度とってきたんだよな 病気でもないのに…… 反省…… (今までスマン ツレ)そして私が不安になったり落ち込むとツレにうつることがわかり 今はなんでもプラス思考になりました

貂々&ツレ、とっても素敵なコンビ。「ツラくても頑張れ」なんていうメッセージを発信する本でもなく、教訓を垂れる本でもない。一緒に笑ったり泣いたりしたあとに、幸せって何だろうなぁと考えさせてくれる一冊です。

(いま、人気沸騰で版元品切れ、かな)

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» 家族がうつ病になったら・・・ 細川貂々著 「ツレがうつになりまして。」 [本読め 東雲(しののめ) 読書の日々]
前からうつ病についての本を読もうと思っていたんです。 そしたら、ちょうどいいのがありましたよ。 漫画ですけどね。 朝のNHKの番組で今日、紹介されてもいました。 細川貂々著 「ツレがうつになりまして... [続きを読む]

受信: 2007年6月20日 (水) 08:46

» 「ツレがうつになりまして - 細川貂々」を読んだよ [HouseTect]
 「病気」の意味するものの記事を読んでて、そういえば「ツレがうつになりまして」... [続きを読む]

受信: 2007年10月 4日 (木) 13:07

コメント

TBさせていただきました。

家族がうつになったら、ここまで見守ってあげられるかどうか・・。
著者の“しなやかさ、強さ”は本当に頭が下がり、泣けました。

投稿 タウム | 2007年6月20日 (水) 08:42

>タウムさん

はじめまして。コメントとトラックバック、ありがとうございました。

何事にも先入観を持たずに対応しているところがステキですね。鬱に対する態度はもちろんなんですが、よく考えてみると、そもそも体長が自分の身長ぐらいのイグアナを家で飼うことができるあたりから、全く一般常識の枠に囚われていない人々なのだと思うのです。

下手うまの絵が可愛いですよね。

投稿 とみきち | 2007年6月20日 (水) 14:17

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