« 2007年3月 | トップページ | 2007年5月 »

2007年4月

2007年4月30日 (月)

『花笑み・天上の花』 萩原葉子

『花笑み』は、産みの母をテーマにした作品集。そのうち『女客』は、25年ぶりに産みの母と再会したときの様子を描く作品。これもまた小説ではありながら、自伝と言ってもいいほどの内容である。

続きを読む "『花笑み・天上の花』 萩原葉子"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

『蕁麻の家』 萩原葉子

自伝的小説。「自伝的」と言われるゆえんは、登場人物も関係性もほぼ現実のとおりだからである。これは小説であってノンフィクションではない。ただ、著者、葉子にとってみれば、これを書き切ることで、何かを吹っ切りたかった、自分を確立したかったのではないかと思わせるほど、自虐的、露悪的な描写が多いため、読んでいてたいへんに息苦しくなるのである。

続きを読む "『蕁麻の家』 萩原葉子"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

『父・萩原朔太郎』 萩原葉子

詩人、萩原朔太郎の長女、葉子によるエッセイ集。朔太郎が57歳で没したのは昭和17年。本書が出たのは昭和34年のことだった。

続きを読む "『父・萩原朔太郎』 萩原葉子"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年4月17日 (火)

『翻訳家の仕事』 岩波書店編集部編

たいへん面白かった、いろいろな意味で。一つは、言葉を訳す作業の一つである翻訳と、私が仕事にしている反訳(テープ起こしと言うとわかりやすい)とが類似している点があるので、「そうそう、おっしゃるとおり」と思いながら読めたことがある。

続きを読む "『翻訳家の仕事』 岩波書店編集部編"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年4月16日 (月)

『覚えていない』 佐野洋子

「私は本当のタヌキババアになれるだろうか」というタイトルのエッセイは秀逸である。「河合隼雄先生」について語らなければいけない状況に、佐野洋子は困って泣きそうだ、というところから始まる。そんなことを言いながらも、佐野洋子はいつもの調子で語るのである。

続きを読む "『覚えていない』 佐野洋子"

| | コメント (4) | トラックバック (0)

『人格障害の時代』 岡田尊司

本書は、人格障害の基本的な知識を得るための適切なテキストだと思う。人格障害の分類、特徴、人格障害と思われる著名な人物の紹介、治療上の問題等々を、素人にわかりやすく説明してくれている。

続きを読む "『人格障害の時代』 岡田尊司"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年4月12日 (木)

『本よみの虫干し ―日本の近代文学再読―』 関川夏央

谷口ジロー・画、関川夏央・原作の『「坊っちゃん」の時代』(全5巻)は、傑作であり、本好きであれば必読書だと思う。啄木や漱石、鷗外等々が生きた時代を、微細に描き、現代と地続きにした。彼らは遠い昔の文豪ではなくて、血肉をもって、今よりほんの少し前の時代にリアルに生きていた人々であったことが伝わってきた。関川は、時代の中で文学や文学者を捉える人であることが、この漫画(と言っていいのか)を読むとよくわかる。

続きを読む "『本よみの虫干し ―日本の近代文学再読―』 関川夏央"

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年4月 9日 (月)

『読書の腕前』 岡崎武志

本を読み、文章を書くことだけをよりどころに生きてきた、運動も勉強も苦手という筆者が、大好きな読書について綴ったエッセイ。本好きが読めば読書欲がいやがおうでも刺激されること請け合い。そういう意味では、「一般中級」以上の読者向けかもしれない。

しかし、本を読むのは面倒だ、テレビのほうが楽でいい、と思っている人が万一この世にいるとしたら(笑)、あなたが読書の楽しみを知らないことでどれだけ損をしているか、ということが本書を読めばほんのちょっとわかるかもしれません。

そして、

……「ゴルフ」に夢中の人は、ゴルフ雑誌やゴルファーの書いた技術書に手を出すだろう。それと同じく、本をたくさん読めば、自然に「本の本」が集まってくる。ときに、本それ自体を読むより、本について書かれた本のほうがおもしろいくらいだ。そこで紹介された本がまた読みたくなり、あるいは著者が本を読む姿や仕種を追うことで、読書欲が刺激される。これは読書の永久運動だ。

と本書にあるように、「永久運動」に組み込まれてしまえば、あとは自動運転状態になります。本書は、その運動のスタートのきっかけになり得るかもしれません。

続きを読む "『読書の腕前』 岡崎武志"

| | コメント (2) | トラックバック (1)

« 2007年3月 | トップページ | 2007年5月 »