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2008年4月

2008年4月20日 (日)

『センチメンタルジャーニー  ある詩人の生涯』 北村太郎

1922(大正11)年生まれの詩人、北村太郎の生涯。悪性血液病に冒された詩人が、死に至る前になんとか自伝を書き残したいという思いで、正津勉という人物に口述筆記を依頼する。企画した草思社の編集者、長坂貞徳氏との話し合いにより、生い立ちから67歳の生涯までを、計四回、20時間にわたって語り続けたテープをもとに、本書は成り立っている。しかし、この本の完成を、長坂氏も、北村太郎も見届けることなくあの世に旅だってしまったのだという。

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『歴史を考えるヒント』 網野善彦

日常的に、日本の伝統とか、日本らしさとか、日本人的とか、そんなふうに「日本」という言葉を使うとき、いったいわれわれはいつの時代の日本を頭に描いているのだろう。現在につながっている文化的なものの基準は、室町あたりに始まったものが多いと一般的には言われている。でも、何の話をしているかによっては、明治以降のことだったり、場合によっては、ほんのつい100年ぐらい前に始まった習慣を「日本らしい」ものと考えていたり、そういうこともおおいにあるだろうと思う。

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『岡本太郎の見た日本』 赤坂憲雄

「はじめに」で著者は、次のように述べている。「ここではひとまず、芸術家としての太郎はカッコに括る。わたしがひたすら執着を覚えてきたのは、思想家としての太郎であり、とりわけ「日本」について物語りする太郎であったからだ。その再評価こそが、わたしに託された仕事だと感じている。」

本書は、岡本太郎が残した膨大なテキストを丹念に読み解く作業から成り立っている。ときには、どこまでが太郎の文章で、著者の言葉はどこからなのか判別がつきにくいほどに、太郎と著者の文章は渾然一体となっている。パリ留学時代、中国最前線での戦争体験、縄文時代との出会い、東北、沖縄、そして朝鮮と移り行く太郎の目に映ったものを、著者は追体験することによって、太郎の綴った文章からその息づかいや込められた思いをくみ取り、現代を生きる私たちの前に、できるだけ忠実に再現しようと試みる。

大切に読みたい一冊。本書を読めば、岡本太郎の世界をもっと深く知りたくなるはず。

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