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2009年5月

2009年5月30日 (土)

『いそっぷのおはなし』 降矢なな(絵)・木坂涼(再話)

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ご存じ、イソップ物語あるいはイソップ童話の中から9編が編まれた絵本です。

  • きつねと つる
  • うさぎと かめ
  • よくばりな いぬ
  • うしと かえる
  • ひつじかいと おおかみ
  • きこりと おの
  • からすと きつね
  • ありと きりぎりす
  • きたかぜと たいよう

こう列挙してみて初めて気づきましたが、タイトルはすべて「○○と△△」で統一されていますね。これは一つのこだわり、なんでしょうね。← あとから気づきましたが、「よくばりな いぬ」だけ、違っていました。

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2009年5月 8日 (金)

とみきち屋 裏事情(4)(5)

◆裏事情(4) 「とみきち用の本棚」なのに……◆

「とみきち用の本棚」と番頭が決めてくれている本棚があります。片開きのガラス入りの戸がついている、飾り戸棚のような細い棚です。そこに入っているのは、例えば鈴木道彦訳の『失われた時を求めて』セット、好きな絵本たち、『プチ・ニコラ』シリーズ、幼い頃に読んだ童話いろいろ、そして、堀田善衛の『ゴヤ』、展覧会のカタログなど、並べておくとちょっと楽しくなるような、きれいな本たちが入っています。本の前には可愛い小物なども並べてあって、わが家では唯一、ちょっと“乙女チック”な棚です(笑)。

でも、その本棚の中身さえ、私の知らないうちに変わっていきます。単行本だったものがいつの間にか同じ内容の文庫本に変身します。確かに私も読んだし、内容も好きではあるけれど、ビジュアル的にその棚に入れるにふさわしくないような無骨な本が入っていたりします。

最近に至っては、その戸棚の前には段ボールが積み上がっているので、持ち主であるはずの私は扉を開けることができないばかりか、その可愛い外見をおがむことすらできません。にっくき段ボール!!

実をいうと、その戸棚のみならず、すべての書棚の前に段ボールが並べられ、しかも何段にも積み重ねられているのです。書棚の下半分の本は見えませんし、簡単には出せません。ですから、わが家はいつだって「お引っ越しですか?」状態です。書棚に入った本を眺める喜びも半減です。

たとえ古本市で一箱、二箱売れたとしても、その景色に変化は見えません。長年おつきあいしてもらっている地元の古本屋さん、ブックオフなどに、毎月、段ボールで売りに行っても、減っていく様子は一向にありません。

◆裏事情(5) とみきち屋のこれから◆

もう何年ものあいだ、「片付ける」と言いつつ、全く片付けない番頭の部屋は、足の踏み場もありません。本以外のものもたくさん落ちています。信じられないカオスです。段ボールに入っているとはいえ、本はいちおう何らかの基準に従って整理されているらしいし、2万冊近い本のありかを把握しているらしいのに、何故、その他のものが整理できないのか、まったくもって理解不能です。

そのカオスは自室ばかりでなく、公共の場(リビング、ダイニング、廊下)にも遠慮なく浸出してきています。 「古本市に出たい」と番頭が言ったとき、「協力はするけれど、今度こそとにかく家を片付けてね」と言ったら、「もちろんだよ!!」と明るい声が返ってきました。

昨秋も、そしてつい先日の古本市でも、幸か不幸かとみきち屋の本はよく売れて、賞までいただいてしまいました。番頭のなかでは、段ボールに入った本たちが“市民権”を得てしまったのか、積み上げられた段ボールたちが心なしか威張った顔をしています。あの約束はいずこ?

どこかの古本市にもしも番頭が一人で出店していたら、それは、彼が約束を果たしていないのだ、と思ってください。

(ひとまず終わり)

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2009年5月 7日 (木)

とみきち屋 裏事情(1)(2)(3)

2009年5月9日追記  番頭がようやくお客さまレポートの前半を書きました。お手数ですがこちらをご覧くださいませ。また、その記事の一つ前には、黒岩比佐子さんから賞をいただいた報告もございます。]

「一箱古本市」でのお客さまレポートは番頭が書くことになっているのですが、疲れ果ててしまったのか、なかなか書く気配がありません。たくさんのエピソードがあるので、私が書こうかとも思いましたが、この間隙をぬって、ひとつ、とみきち屋裏事情を書いてしまいます。

まあ、聞いてくださいな。

◆裏事情(1) とみきち屋の店番◆

とみきち屋の選書は、番頭である風太郎が100%担当しています。箱の中には、店主の私が読んだことのない本が揃っています。というか、うちにあったことすら知らない本が相当数あります。なので、私一人が店番をしているときは、お客さまの質問に答えられないことがたびたびあり、物足りない思いをされた方もおられるかと思います。勉強不足で、本当にごめんなさい。

POP書きは私がやっています、中身は番頭が考えますが。POPをつけている商品は、当然のことながら、目玉商品だったり、とみきち屋的お勧め商品だったりします。売れたあとも、何があったのかお知らせする意味もあって、そのPOPに「sold」とか、「売れちゃいました、ごめんなさい」などと書いて、最後のほうまで飾っておくことがあります。それを見て、「○○はやっぱり売れちゃったんですか~」などと話しかけてくださるお客さまがいらっしゃいます。

そんなときに番頭が不在だと、とても困ります。商品があれば、気持ちよく買っていただこうと思ってなんとか頑張りますが、既に売れてしまった場合は、その本の価値や内容、あるいは同じ著者の他の作品等についてお話しすることもできず、せっかくお声をかけてくださったお客さまに対して申し訳ない気持ちになります。かといって、そういう好みの方に、「例えば△△はお読みになりましたか」と、話を展開することもできませんし。

私も本は好きですよ。本を読むことが好きですし、本棚に並んだ本を眺めるのも好きです。本を読んでいる時間も好きです。本に囲まれた生活も大好きです。

でも、どの文庫から出ている何という作品が絶版だとか、最近それが別の文庫で復刊したとか、○○という作品の下巻はなかなか見つからず価値があるのだとか、そういうことには全く疎いのです。また、読む本は、種類もジャンルも限られています。番頭に聞いてみないと、家にあるのかないのかわからないので、自分で本を買うことはほとんどありません。

ですので、古本市ではなるべく番頭が店番をする時間を長くしよう、と思っています。

◆裏事情(2) とみきち屋の日常会話◆

うちでは、こんな会話は日常茶飯事です。

 と 「このあいだ○○文庫から出た△△△って面白いかなあ」
 番 「あっ、買ってあるよ。読む?」

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 と 「さっきネットで××の◆◆◆が面白いって書いてあったけど、どうかなあ」
 番 「買って読んだけど、つまらなかったから売っちゃった」

知らないうちに、いろいろなことが進行しています。

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 番 「とみきち、今、何読んでる?」
 と 「今は○○の新書」
 番 「最近出た××を買ってみたけど読んでみない?」
 と 「うん、読んでみる」
    数日後……
 と 「こないだの××、なんか面白くないんだけど」
 番 「あ、やっぱり? じゃ、もうやめていいよ。○○さん(なじみの古書店)に持っていったら悪いから、ブックオフに売っちゃおう」
    ……私はリトマス試験紙か……。

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 と 「仕事で今度、△△△に関する情報が欲しいんだけど、参考になる本、何かある?」
 番 「適当に取りそろえておくよ」
   一時間後……
 番 「△△△について、一般的な知識を得るならこれ。こっちは、少し偏っているけど、読んでおいて損はない。一番多く読まれているのがこれ。これを読んでいなければもぐり。ひととおり探しておいたよ」

人文系に限りますが、このように助かることもあるのですけどね……。

◆裏事情(3) 増殖する段ボール◆

さてさて、番頭は、いわゆる「片付けのできない」人です。でも、不思議なことに、家にある本のありかだけはほとんど把握しています。家にある本はまず、何本かの書棚に前後二列にぎっしりと詰まっています。書棚に入っているのは、二人の好みが一致している本、何度も読み返したい本、常に見えるところに置いておきたい本が多いです。

しかし、狭いわが家の壁面面積は限られています。当然、書棚に入りきらない本があふれます。あふれた本たちは段ボールに入っています。この段ボールが曲者です。入れっぱなしではなく、常に何らかの入れ替えがなされている様子です。段ボールごと動かしたりもしているようです。そういう作業のときは、番頭は腰にサポーターをしています。せっせ、せっせと動いて嬉しそうです。疲れることもないようです。調子が悪かろうが何だろうが、書店に行けば(新刊書店でも古書店でも)何時間いても平気らしいです。でも、本にかかわっていない時間に何かを頼んでも、今日は調子が悪いから無理だと弱々しく答えたり、やるべきことに着手できずに翌日送りにしたり、今はその気にならない、などと言ってサボります。

"殊にお気に入り"の絶版本については、番頭は最低2冊、あるいは3冊所有しています。より正確に言えば、所有しているようです。1冊は、書き込みをしたりページを折ったりしながら読む用(本棚)、1冊は、大切に保管しておく用(段ボール)、1冊は、誰かにプレゼントする用(段ボール)、ということで3冊なのです。

昨秋から古本市に出店するようになって、その3冊がどうやら、4冊、5冊になり始めたようなのです。一々私に報告しないので実態はよくわからないのですが、出品本を見て、「へー、この本、出しちゃっていいの?」と言うと、それはそれは嬉しそうに「きれいなのがあと2冊あるから」と答えます。

「古本市のため」というある種「公式な」理由ができたせいか、本を買う勢いは増しているようです。ブックオフではなくて、普通の古書店などでも買ってきます。余りに嬉しかったときは「信じられない。○○書店でふっと棚を見たら、目を疑ったよ。何があったと思う?」とか言います。そう言われても、そもそも何を持っているのかも知りませんから、私に当てられようはずがありません。

いろいろなテーマを考えているらしいので、買ったからといって、すぐに古本市に出されるとは限りません。ひたすら段ボールの中に生き続ける可能性があります。たちが悪いのは、新刊も買うし、既刊の未所有の本も買うし、所有している本も買う、ということです。売るためだけに買うのではない、というところがミソです。段ボールに入っている本は、私にとっては本ではありません。ただの荷物です。

この先、わが家はどうなっていくのでしょうか。

(つづく)

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2009年5月 4日 (月)

一箱古本市(二日目)御礼。

気持ちのいいお天気の下、番頭、風太郎とともに一箱古本市に出店させていただき、楽しくて、楽しくて! えもいわれぬ素敵な時間を過ごさせていただきました! ご協力くださいました不忍のまちの皆様、各大家さん、そして実行委員および助っ人の方々はもちろん、出店された方々、審査員の皆様、そして、お越しいただいたすべての皆様に心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました。こんなに素敵な場をしつらえていただいたおかげで、楽しいに違いないという予想はしていましたけれど、その予想をはるかにはるかに上回る、とてつもなく素敵な一日を過ごさせていただきました。

街を舞台にして、本でつながる人と人。今日一日で、今後一年分の元気をいただいた感じがしています。

今日、初めてご挨拶させていただいた皆様(店主の方も、助っ人の方も、お客様も、審査員の方も)、お目にかかれて、本当に嬉しゅうございました。お気が向かれましたら、風太郎あるいはとみきちのブログに、お声をお寄せいただければたいへん嬉しく思います。すべての方々との出会いや会話、そのときの情景やお顔の表情や風情、空気感などを、でき得る限り大切に大切に記憶に刻み込んでおきたい、と思っています。でも、一つには、既に進行中の脳みそつるつる化現象(笑)、そして、余りにも楽し過ぎて興奮し過ぎていたせいか、今日一日の出来事をなかなか冷静に思い出すことができない、というもう一つの理由もあり、どうしてもすべての方との出会いをきちんと頭に定着させることができません!

本当に多くのお客様に、とみきち屋の箱の中の“新しい出会いを待っていた本たち”をお手に取っていただきました。思わず笑みを漏らされて、「これ、ください」と言ってくださった方、はるばる遠方からお越しくださり、「これを探していたんです。来た甲斐がありました」と言ってくださった方、いつもいつもたくさんお買い上げくださるのに、今日もまた楽しそうにじっくりと箱をご覧いただいたうえに、またまたどっさりお買い上げくださった方……。

そのときの情景を思い出すたびに、頬がゆるんでしまいます。今日一日、何度も何度も番頭と顔を見合わせて、「本当に嬉しいねえ」と、幸せに浸っておりました。

あるいは、これまでにもお買い上げいただいていたのに、私どもがきちんとお顔を記憶しておらず、今日初めてゆっくりお話しさせていただいた方、また、初めてお目にかかり、しかも、お買い上げいただいたことを本当に嬉しく感じるようなコメントをくださった方も多くいらっしゃいました。とみきちの大切な友も足を運んでくれました。

こうした出会いが積み重なっていくなかで、私たちの幸福感はどんどんふくらんでいきました。

お買い上げいただかなくても、本を眺めるときのまなざしに、私たちの心に触れる何かをお持ちの方もたくさんおられました。なんて幸せなんだろう、と感じ続けた一日でした。

レポートをし始めたら、何から書いてよいのかわからないほど、いろいろなことを感じ、お伝えしたいことばかりです。いつものように、番頭の風太郎(古本一切担当)からは番頭なりのご報告を、名ばかり店主の私、とみきち(インチキ売り子担当)からは私なりの報告を、ブログ上で追々アップさせていただくつもりです。が、今夜のところは、本当に本当に楽しかったということと、関わってくださったすべての方々への感謝の気持ちを記すにとどめたいと思います。

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2009年5月 3日 (日)

一箱古本市(初日)ご報告。(長文失礼)

行ってまいりました、「本と散歩が似合う街 不忍ブックストリート」の一箱古本市。昨秋に初参加させていただきましたが、実は、それ以前は見に行ったこともなかったので、今日が本当に初めてなのでした。

出店するのも、大変楽しい経験でしたが、今日初めてお店をめぐって歩くのも本当にとーっても楽しいのでした。なるほど、これならたくさんのお客さんが訪れてくださるのもわかるなぁ、と合点がいきました。とてもいいイベントですね~。スタッフの方たちとまちがこぞって、このイベントを育ててきたのだろうなぁ、と思います。半日、存分に楽しませていただきました。そして、明日もまたまた、楽しませていただきま~す!

それでは、半日の報告をいたします!

番頭購入本は、末尾にまとめて書きますね~。(番頭はまだまだ明日の準備で手一杯なので、購入本報告も本日は私が代行いたしまする)

2時過ぎに山手線日暮里駅到着。谷中墓地を抜けて、原っぱ音地に向かいました。道から少し奥まった空き地に、いい感じでお店が何軒も出ています。お客さんもたくさん。正面の岡崎武志堂には、どうやら奥様とお嬢さんらしきお二人の姿。お声をかけてみたら、やはり奥様で、オカタケさんはちょっとお出かけのようでした。奥様は、ふわんと優しく、あたたかくて、物静かな雰囲気の方で、少女のような印象を受けました。

オカタケさんのご著書を一冊購入。その後、オカタケさんが戻られました。空き地の正面に、どんと腕組みして座っておられると、周囲に睨みをきかせている親分という感じ。「親分みたいですね~」と言うと、「牢名主みたいやろ」と。確かに~(笑)。

恒例のおみくじを「引いた?」と聞かれて、「あっ、まだです」。お嬢さんの日向子さんにも「引いてください、引いてください」と言ってもらって、番頭が箱に手を突っ込み一枚引きかけたところで、「あっ!」と声を上げました。何かと思えば、みちくさ市のときは大凶を引いたから、私に引けと言うのです。日向子さんがすかさず、「大凶ばっかりじゃないですよ」とフォロー。かわいいなぁ。それじゃ、私が、と引いてみたら、「中吉」でしたぁ。

・お言葉 六つ子の魂 赤塚まで

   →オカタケさんによる解説。「おそ松くん」の六つ子のことだよ(笑)

・自分と同じ生年の本を買いなさい

・あなたが一番大事にしているものを土に埋めよ。人以外で

・あなた向けの本 ボリス・ヴィアン『日々の泡』

ということでしたぁ。私の同年の作家って誰かな。二、三歳違いの人は結構いるのですけれど。

オカタケさん「はにかみ君は今日は来ないねえ」。谷根千はテリトリー外なのでしょうか。また会いたいなぁ。そして、ほんのすこーしずつでもいいから言葉を交わすような感じになったらいいのになぁ。

実は私、オカタケさんがお嬢さんのことについて書かれるときの、愛情あふれる文章が大好きで、どんなお嬢さんかなぁと、ずーっと思っていたんです。例えば、ご家族旅行で、何かの事情でちょっと元気が出ない展開になってしまったときのこと、揃ってとぼとぼと歩いていて「ブ」を見つけた途端、日向子さんが「万歳!万歳!」と言った、というお話など、心に残っているお話が多いので、ああ、日向子さんだぁ!と、お会いできて嬉しくてついつい、なれなれしく話しかけてしまうのでした。中学生という多感な年齢のお嬢さんは、そんなふうに話しかけられるのは好きじゃないかもしれないですよね~。

初夏の日差しのさんさんと降り注ぐ午後の空き地で、ご家族でお店を出しておられるのは、素敵な風景でした。

空想書店 書肆紅屋さんとご挨拶。出店者としての感想などなどをいろいろ聞かせていただきました。すごい売れ行きでしたね~、さすがです。

次に目指すは、たけうま書房さんのお店。歩いていたら、向こうのほうから自転車を漕ぐ、赤いポロシャツ姿が。あっ、南陀楼綾繁さんだ! 番頭が驚くほど大きな声で、「南陀楼さん、このたびはお世話になります!」と叫ぶ。声、大き過ぎ(笑)。南陀楼さん、審査員として忙しくあちこちを巡っておられるなか、とまってくださって、「明日の出店場所はどこだっけ? あっ、映画保存協会ね。あそこは午前中に行くよ」と。

そして、たけうま書房さんのお店に。物静かなご夫婦が、個性的な品揃えで箱を出しておられました。こんにちは~。のぞき込むと、CDのスリップ一枚いちまいに、細かいワープロ文字の解説がついています。番頭が「これはご自身で一つひとつ書かれるんですか?」 ご主人が「ええ、僕が文章を書いています」 奥様「南陀楼さんは、このスリップだけくださいっておっしゃって」 素敵です。そのCDの特徴を、一つひとつ紹介して、しかもとてもきれいに印刷されていて。単なる物のやりとりではなく、出品された本やCDに対する「思い」をかたちにしているお店づくりは、魅力的だなぁ、と思うのでした。

三崎坂を下り、特別養護老人ホーム谷中に。入り口に一番近いところに、見たことのある姿が。もす文庫さんです! もさ夫さんが新しく描かれた油絵の看板がありました。ますぼんさん作の猫の絵の名刺もいただきました。一枚一枚手描きなんですって! スゴーイ。前回も買わせていただいた、手作り缶バッジ(新作)を購入。窓辺に猫がいて、ワンピースを着た本を読む女性がこちらを向いている室内を描いた作品。前回は、本を読む猫の絵でした。帰宅後、二つ並べて、アクセサリー袋につけました。

四谷書房さんともご挨拶。昨秋、初参加の直前に、お名前を知っている出店者は四谷書房さんだけだったので、お顔を見ると、今でもなんとなく安心しちゃいます。参加歴が長いので、雨天延期だった頃のお話などを伺いました。一冊購入。

初めてお目にかかるカリプソ文庫さんの品揃えに目をみはり、そのお値段の安さにもびっくり。数冊購入。

昨秋、お世話になった青秋部の石井さん・中村さんのお二人にも久しぶりにお目にかかって、ほんの少しおしゃべり。スタンプラリーのスタンプを押してもらいました。いつもお世話になります。映画保存協会の横の公園は、いい感じのところですよ。季節によってはちょっと虫が多いかもしれないので、場合によっては虫よけスプレーがあるといいかもしれません、とアドバイスをいただきました。

今度は、よみせ通りを北進します。すごい人出です。ぶらぶらとそぞろ歩きしたくなるような街なんですね、ここは。すごくいい感じ。一箱古本市とは関係なく、何人かで洋服を並べてフリマの店開きをしている方たちもいます。格好のタイミングですよね。自分で集客しなくていいのですから。

コシヅカハム店のシャッター前には、たくさんのお店が出ていました。

つん堂さん。私は別の方とお顔を間違えて声を掛けてしまいました。ごめんなさい。番頭好みの本を安価で出しておられました。番頭は「こんなにいい本が、この値段なのに残っているんですか。残念ですね。ください」と言って購入していました。初対面なのに、突然、自問自答的な会話を仕掛けるところがおかしくて(笑)。つん堂さん、おそらく「なんだ? この人は?」と思われたことでしょう。でも、その後は、本が好きなんですよね、という本好き同士の会話が進行していたので、大丈夫だったでしょうか?

みちくさ市でお隣だった古本 寝床やさん。横一列の出店者のほぼ中央の位置にいらっしゃいました。その節は隣でいろいろお騒がせいたしましたぁ。今日もにこやかに、静かに、でも、明るい雰囲気で出店されていました。あと30分、頑張ってくださいね~と声援を。

終了まであと30分弱。あいうの本棚さんと、古書北方人さん、お二方だけの出店場所に急ぎます。少し奥まっていて、二店舗だけだし、場所もあまり広くなくて、ちょっと大変そうな場所でした。実力派の両店だからこそ、こういうところでも大丈夫という本部の判断があったのかなぁ、と思いました。

トモコさん、マキさん、アキさんとも揃っておられて、「あーーー、こんにちはーー」と迎えていただき、こちらも嬉しくて。いつもことながら、おしゃれに展示されています。面白かったのは、尋常小学校時代の「りか」とか「ずが」とかの帳面でした。科目ごとに中の罫線などが違っているんですって。「りか」であれば、上半分に観察図のようなものを描いて、下にそれについて文章を書く、みたいなふうになっています。表紙の絵が、いやいや、本当に昭和な時代の絵で、昔の「ぬりゑ」みたいな感じです。ああ、こういうのがツボな人、いるだろうなぁ、という素敵な出品。でも、展示する範囲が狭いので、遠慮がちに本棚に入っていて、面陳できなかったのはすごくもったいないなぁと思ったのでした。それから、「今回初めて出してみたんです」というのが、「練羊羹」とか「PTA」とかの刻印。「面白いですね~、でも、いつどうやって使ったらいいんでしょうね~」と楽しくおしゃべり。そして、フランスで購入されたという、1950年代(でしたよね?)に印刷されたオペラ座の絵のメッセージカードを購入しました。

さて、隣の古書北方人さんでは、箱をたいへん熱心にのぞいているお客さんが一人。おおっ、見間違いようはありません、われらのお得意様、Hさんではありませんか!! 二つの手提げがパンパンです(笑)。番頭がまずご挨拶。「明日出店します」と出店場所を宣伝。それから、私がだめ押しでしつこくご挨拶。Hさん、「明日は映画協会だそうですね。一番にお伺いします」「お待ちしておりまーす。今日もお荷物いっぱいですね。手提げをご用意しておきますね」「トラックを用意しておいてください」 わーい、Hさん、お待ちしていますね~。業務連絡(番頭へ):Hさんにお買い上げいただけるような本を用意してください。

あいうの本棚さんに手を振って、古書ほうろうさんの前に急ぎます。お店前の数店舗を眺めて一冊購入。ほうろうさんの宮地さん、ミカコさんにちょっとだけご挨拶して、それから、明日のわが店を出させていただく大家さんの映画保存協会さんと、集合場所の千駄木の郷の下見。団子坂の急傾斜ぶりにおののきました。さすがは坂の街。でも、本当に歩いていて楽しい街ですね。坂があって、道がくねっていたり、路地があったり、それだけで散歩しよう、という気持ちになります。

地図を見ながら、こっちを通ってみようか、なんて言って、住宅地を抜けて、また古書ほうろうさんのところに戻りました。4時で終了なので、一箱の方たちのお店はすっかり片付いていました。お腹がぺこぺこなので、ミカコさんに「この辺でご飯を食べられるお店を教えてください」とお願いして、ご紹介いただいたのが、ほうろうさんからほど近い「稲毛屋」さん。鶏と鰻のお店です。5時開店でしたので、お店の前で数分待って、一番乗り~。番頭はビール、私はお酒を注文し、おつまみ、焼き鳥、そして鰻と平らげて、満足、満足。とても美味しくて、いいお店です。人気があるようで、続々とお客さんが入ってきました。やはり美味しいお店については地元の方に尋ねるのが一番です! しかもミカコさんはお料理もお得意で、飲んだり食べたりがお好きな方、とお見受けしていたので、ミカコさんのご紹介なら間違いない、と思っていたのでした。

「美味しかったです~」とほろ酔いで古書ほうろうさんに戻り、今度はお店の中の本をあれこれと眺めて楽しく過ごす。品揃えがスゴイですね、素敵なお店です。一律に値段をつけるなんてことはなくて、一つひとつをきちんと評価して、棚に並べているのがわかります。セレクトショップの魅力に満ちた古本屋さん。番頭は二度目ですが、私は初めてだったので、興味津々で棚を眺めて楽しく過ごしました。BGMには、昨日亡くなった忌野清志郎さんの音楽が静かに流れていました。

では、本日の購入本をざっとご紹介します。(敬称を略させていただきます)

  • 岡崎武志堂にて 『昭和三十年代の匂い』(岡崎武志・学研新書)  
  • 書肆紅屋にて 『虚子俳話録』(赤星水竹居・講談社学術文庫)
  • たけうま書房にて 『ユリイカ 特集クリント・イーストウッド』
  • 四谷書房にて 『夢見る力』(コリン・ウィルソン・河出文庫)
  • つん堂にて 『思考する魚』Ⅰ・Ⅱなど(池田満寿夫・角川文庫)
  • カリプソ文庫にて 『ユーディット 他一篇』など(ヘッベル・岩波文庫)
  • 古書有古堂にて 『いくつもの鏡 鶴見俊輔 論壇時評 1974-1975』(朝日新聞社)
  • 古書ほうろうにて 『おゝ反逆の青春』(今東光・平河出版)

さてさて、明日のお天気はどうでしょうね。なんとか雨降りにならないでくださいなぁ。

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