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2009年7月

2009年7月31日 (金)

『明暗』 夏目漱石

以前読んだのは一体いつのことだったのか、思い出せないくらい長いときが経過しての再読。ご存じのとおり、朝日新聞連載中に漱石の死去により、絶筆となった作品である。

読み始めてまず気付いたのが、文末の「った」の連続。ほとんどの文章がこのかたちでしめくくられている。前に読んだときに気付かなかったのが不思議なほど。地の文はことごとく「であった」「○○した」。意図的でないはずのない、この文末攻撃に、リズムが合うまで少し苦労したが、読み進むうちに、まったく気にならなくなった。物語に引き込まれるというのは、読む側のリズムの主張がなくなり、小説のリズムに自然に寄り添っていくことでもある。相性はもちろんあるが、優れた小説の条件の一つに、多くの読者を物語のリズムに引き込む力をもっていることがあると思う。

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2009年7月28日 (火)

炎天下のみちくさ市でした。

7月25日(土)。天気予報は、朝のうち雨が残り、のち曇り、みたいなことでしたが、驚くほどの好天。というか、危険きわまりない晴れっぷり。それもこれも、日頃、その力不足を疑われていた晴ーリー(古書往来座代表、瀬戸さん制作・写真参照)による、存在を賭した、一世一代の大勝負のせいではないかと疑われます。「コレガワタシノジツリョクダ! ドウダ! オソレイッタカ!」と言って、あたりを睥睨しているようではありませんか。

Photo_2

あの暑さの中、みちくさ市に足を運んでくださったお客さま、本当にありがとうございました! 炎天下に、汗をぬぐいながらも、並んで品をのぞき込み、真剣に選んでいただけるだけでも本当に有り難く感じました。

これまでは本部が設置されていたキク薬局さんの倉庫を、今回は出店者用ブースとしていただき、とみきち屋はラッキーにもそこに出店させていただきました。店構えはこんな感じでした。中身はいろいろ変えているのですが、はい、そうですね、外見はいつもとほとんど同じです。せんべい缶、段ボール、小箱、100円ショップの容器の組み合わせです~。両隣は、センスの良さ、生活を楽しむ香り~、が漂うお店、スプーン文庫さん、そして、soupterreさんです。 終わり間際、おしゃべりさせていただき、楽しゅうございました。

しかし、うちってやっぱり、どこから見ても「ざ・古本屋」ですね~。

Photo_3

お客さまエピソードは、例によって番頭:風太郎が少しずつ書いてご報告しますので、そちらをお読みくださいね~。まずエピソード1はこちらです。常連のお客さま、みちくさ市・一箱古本市で知己を得た方々と再会でき、言葉を交わすことができるのはとても楽しく、テンションが上がります。

みちくさ市に参加させていただくのは、プレ開催、第1回に続いて、今回が3回目です。それでも、既にホームグラウンドな気持ち。みちくさ市の良さは、普段着・下駄履きのイベントということかなぁと思います。主催してくださる睦商店会の方々も、協賛で、実質、縁の下の力持ちとして大変な労働力を提供してくださっているわめぞの皆さんも、本当に気取らず、飾らず、気張らず、出店者への心配りをしてくださいます。出店者がゆる~くリラックスできる。そんなイベントです。焦らずに、少しずつ回を重ねていくなかで、みちくさ市ならではの味や個性が見つかるといいな~と思います。人がたまることのできる場所があったら、いいのかな~とか、いろいろ思いを巡らせています。

エピソード編は風太郎ブログに譲りますが、一つだけ。はにかみ高校生登場をオカタケさんが大興奮で告げに来られてから、フィーバーは過熱気味となりました。マラソンか、駅伝か、あるいは行幸を、日の丸を持って、まだか、まだかと待ち望む日本国民、って感じになっていて、可笑しくなってしまいました。オカタケさんと風太郎が「密かに、そっと盛り上げて見守りましょう」なんてブログで言い合っていますけれど、オカタケさん、「密かに」とはまーったく正反対でしたよ(笑)。工作舎、石原さんも怪しい動きで、ちょっとストーカー状態(笑)。おじさんたちときたらまったくもう……。そんなことを言って、私も実は、「いつもありがとうございます」なんて、二度も言っちゃいましたよ。おばさんもしつこいなぁ~。

さて、とみきち屋裏事情について、意外なほど多くの反響をいただきました。それについては、項を改めて追って書きたいと思います~(笑)。

本当に皆様、お疲れさまでした! そして、ありがとうございました!

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2009年7月24日 (金)

みちくさ市に来てくださーい!

明日、7月25日(土)は、鬼子母神通りで、プレ開催を含めると3回目の古本市が開催されます~~~。皆様、こぞって足をお運びくだいませ。お待ちしております!

まずは、事務連絡です。お天気が心配ですね~。開催可否の決定は午前11時です。以下の方法で開催の有無を確認できます。お越しになる際は、無駄足になってはいけませんので、下記のいずれからで開催の有無をご確認のうえ、ご来場くださいませ。開催が決まれば、当店とみきち屋は、建物内での出店ですので、安心して商品をご覧いただけます~。
  
・みちくさ市ブログ http://kmstreet.exblog.jp/
・みちくさ市携帯サイト http://mblog.excite.co.jp/user/kmstreet/
・わめぞブログ http://d.hatena.ne.jp/wamezo/
・みちくさ市本部携帯電話 090-1766-2008(当日のみ)

さて、出品物の概要につきましては、番頭がブログにて、二回に分けてご案内させていただいております。狙いを定めてお越しくださいませ(笑)。

番頭のみちくさ市関連ブログ記事はこちらです。

もうすぐ「鬼子母神通り みちくさ市」!!

明日は「鬼子母神通り みちくさ市」!!

いつもお伝えしていることですが、いま一度、「とみきち屋の特徴」を下記に整理させていただきまーす。(笑)

  1. 店主とみきちは、商品については、何もわかっていない。
  2. とはいえ、番頭も、とみきちも、お客さまとお話しするのが好きだ。
  3. 「これが欲しかった」という方に買っていただくと、しあわせな気持ちになる。
  4. 常連さんには、ついついサービスしたくなる。

ブログを読んでくださっている方、また、これまでにお買い上げいただいたことのある方、どうぞお声を掛けてくださいね~。少しでもお話しできたら嬉しいです。また、商品について何らかお話をなさりたい方は、どうぞ番頭にお声掛けください。できる限り番頭が店に居るようにいたします。が、他のお店も見たい、と申しておりますので、ちょっとふらふら出かけているやもしれませぬ。もし番頭が見あたらなくても、少し時間が経ってから再度お立ち寄りいただければ、戻って来ているかと思います。逆に、一々会話をするのは面倒だ、という方は、「話しかけるなオーラ」を出しておいていただければ、察知できるかと思います。

これからスリップを挟む等々、最後の準備をいたします。模擬展示状況をアップできるかどうか、微妙です。

皆様にお目にかかるのを楽しみしております!!

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2009年7月20日 (月)

第2回鬼子母神通りみちくさ市のお知らせ。

第2回鬼子母神通りみちくさ市が、7月25日(土)に開催されます。

とみきち屋は、またまた懲りずに出店させていただくことになりました。

暑い季節ですが、皆様、こぞってお出ましくださいませ~。

また、私、とみきちは、家庭内バトル議論の末、今回も協力することになりました。よって、また、自分の店の商品内容を理解していない店主&インチキ売り子として店に立ちますので、どうぞ遊びにいらしてくださいね。

番頭はただいま準備に余念がありませぬ。出品ラインナップはほぼ決まったようです。テーマご紹介や、掘り出し物の一部のお知らせも近々させていただけるかと思います。もう少々お待ちください。

今回は、真夏の開催ということもあり、開催時間が午後からとなっています。ご注意ください。

とみきち屋の出店場所は、キク薬局さんのガレージ内です。

http://kmstreet.exblog.jp/i5/

同じ場所に出店されるのは

スプーン文庫さん

soupterreさん

です。どうぞよろしくお願いいたします♪

以下、わめぞブログからの転載です。

“商店街が、一日だけの古本街!”
第2回 鬼子母神通り みちくさ市

昨年11月30日にプレ開催としてスタートした商店街での古本フリマ「みちくさ市」の第2回を7月25日に開催します。

2008年6月、東京に新地下鉄・副都心線が開通し、雑司が谷駅が誕生しました。ちょうどその駅の真上には、ひとつの商店街があります。鬼子母神通り商店睦会。安産・子育の祈願で知られる鬼子母神堂付近から”ちんちん電車”都電荒川線の「鬼子母神前」停留所を抜け目白通りに至る商店街です。

  
この地の利をいかした、地元に根付くイベントを開催できないかと、「鬼子母神通り商店睦会」と、早稲田・目白・雑司ヶ谷にて本に関する仕事をしている人間のグループ「わめぞ」が組んで、一般参加型の古本をメインとしたフリーマーケットを開催することになりました。商店街の店先で一般参加者が古本や雑貨などを販売し、わめぞによるミニ古本市も商店街内数か所で開催します。鬼子母神通りが一日限定の古本街になります。

▼開催日
2009年7月25日(土) 13:00頃?18:00(今回は午後からの開催となります)
雨天の場合、翌日26日に順延(この日が雨の場合は中止)

※定員に達しましたので参加者募集は締め切りました。
 
※当日19:00から、鬼子母神堂境内にて盆踊りが開催されます。こちらも併せてお楽しみください。

▼会場
雑司が谷・鬼子母神通り
東京都豊島区雑司が谷2丁目・鬼子母神通り周辺
Google地図 >> http://tinyurl.com/6xmc4y

主催/鬼子母神通り商店睦会  協賛/わめぞ http://d.hatena.ne.jp/wamezo/

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● 当日午前中の11:00に天候による開催の有無を決定します。
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以下の方法で開催の有無を確認できます。
  
・みちくさ市ブログ http://kmstreet.exblog.jp/
・みちくさ市携帯サイト http://mblog.excite.co.jp/user/kmstreet/
・わめぞブログ http://d.hatena.ne.jp/wamezo/
・みちくさ市本部携帯電話 090-1766-2008(当日のみ)

  
【メールでの問い合わせ(開催前のご質問などもどうぞ)】
wamezo.event●gmail.com(●をアットマークに変えて送信してください)

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2009年7月12日 (日)

『坊っちゃん』 夏目漱石

何十年ぶりでしたっけ、というぐらい久しぶりに読んだ。今読み返して、しみじみとその価値を感じたことは二つ。一つは、その小気味よい江戸っ子弁と、豊富な語彙。もう一つは、明治時代の日本の暮らしぶりの描写。

江戸っ子弁の悪口は、軽佻浮薄な感じだけれど、何ともいえず滑稽な感じがして、だいいち調子が良くて面白い。新米教師である自分をはやしたて、いたずらをして困らせる生徒について腹を立てているところでは……

こんな卑劣な根性は封建時代から、養成したこの土地の習慣なんだから、いくら云って聞かしたって、教えてやったって、到底直りっこない。(…中略…)向でうまく言い抜けられる様な手段で、おれの顔を汚すのを抛って置く、樗蒲一(ちょぼいち)はない。向が人ならおれも人だ。生徒だって、子供だって、ずう体はおれより大きいや。だから刑罰として何か返報をしてやらなくっては義理がわるい。ところがこっちから返報をする時分に尋常の手段で行くと、向から逆捩(さかねじ)を食わして来る。

樗蒲一(ちょぼいち)というのは、注によれば、中国渡来のばくちの一種だそうだ。転じて、間抜け、抜けた奴などの意味に使われるという。「逆捩を食わす」とか「義理がわるい」とか、講談を聞いているような感じ。

当時の風物の描写はいろいろあって面白いが、ここでは物価に注目。松山では皆、城下から汽車に乗って10分ほどの住田という町にある温泉に行く。銭湯代わりである。当時の汽車には上等と下等があり、上等は五銭で、下等が三銭ということがわかる。住田には料理屋も遊郭もあると書かれている。遊郭の入り口にある団子屋で二皿の団子を食べて七銭だったという描写もある。小説の最後に、松山から東京に戻って、ある人の周旋で街鉄の技手になったら、月給は二十五円で家賃は六円だったとある。金銭のことだけでなく、建物の描写、まちの様子や、人の身なりなど、端的に、豊かな語彙で表現されているので、時代を想像しやすく、読む楽しさが倍増する。

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