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2010年3月

2010年3月23日 (火)

『書かれる手』 堀江敏幸

堀江敏幸は滅多に自身を語らない。書評を書くときも、エッセーを書くときも、小説を書くときも。そして、その作品ジャンルの境目は曖昧模糊としている。物語でありそうで、ひとりごとのようでもあり、また、エッセイかと思いきや、創作の世界であったりする。読者はその曖昧さの中に好んでまきこまれ、いっとき日常を忘れる。邪悪であったり、過剰なエネルギーの噴出があったりもしない。大きな事件や現代的な暴力はない。曖昧さ、逡巡、気鬱、ためらいをたたえながら、美を求める心は無限で、かつ、底深い。

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2010年3月22日 (月)

みちくさ市御礼。

気持ちのよい好天に恵まれた三連休最終日、みちくさ市が無事に終わりました! とみきち屋出動はずいぶん久しぶりでしたが、おかげさまでとっても楽しい一日を過ごすことができました。足を運んでくださった皆様、わめぞの皆さん、商店会の皆さん、出店者のお仲間の皆さん、本当にありがとうございました!!

勝手を忘れて、恒例の展示写真を撮り忘れました! まあ、段ボールを並べ、重ね、100円ショップのプラスチックの入れ物と、ひしゃげたせんべい缶の組み合わせは、いつもどおり変わりませぬ。ねこのとみきちの看板(1年数ヶ月前の初登場から使い続けて、だいぶくたびれてきました)も、汚い手書きのPOPも、だらしなく物が積み上げられたバックヤードも、すべていつもどおり。

一日を通して、とてもたくさんのお客様にご来店いただき、たくさんお買い上げいただき、100冊を大きく超える冊数をお買い上げいただけたようです。詳しい報告は番頭・風太郎のブログでさせていただきますが、本当にありがとうございました。

風太郎のブログに書き込みをいただいていた方が、実は風太郎の高校時代の同級生の女性(つまりは私の先輩に当たる)であったという衝撃の真実もありました。一箱古本市、みちくさ市を通じてお近づきになった多くのお客様や店主の皆さんとも久しぶりにお会いできて、とっても懐かしくうれしかったです~。

インチキ売り子の私は、「こんにちは~」といろいろな方にご挨拶しているうちに一日が終わった感じ(笑)。既に皆様ご存じのとおり、なんといってもうちが売ってる本は、番頭が集めてきてセレクトし、特集を組み値付けをし、並べ方も考えているものであって、私はただ椅子に座り、「こんにちは~、どうぞ手に取ってご覧くださ~い」と言ってるだけなのであります。

いつもお買い上げいただく我が店の上得意様方も皆さんお立ち寄り&お買い上げくださいました。が、立ち寄ってくださってお顔を拝見できるだけで、なんだかほっとして嬉しくなります。今日はまた大量にお買い上げくださる新しいお客様も登場! Sさん、またぜひぜひお越しくださいね~。

はにかみ君もいつもどおりの美しい立ち居振る舞いと、おしゃれないでたちで登場。当店でもお買い上げ~。今日のお買い上げも、“はにかみ君セレクト”でした。とても嬉しい。我が店ばかりでなく、みちくさ市で最も若いおなじみさんだと思う。こういう若者が増えていったらいいのになぁ、と心から思う。

ほとんど親戚のおばさんの気持ちと化している私としては、作家の好みは? その作家のどういうところが好きなの? どんな読後感のものが好きなの? 文学以外に興味あるものはないの? 具体的にどんな本を探しているの? 将来は何になりたいの? このあいだ買っていってくれた本の感想とは? とめちゃめちゃたくさん質問が頭に浮かぶ(笑)。もし質問したら答えてくれるかなぁと考えるのだけれど、はたして十代の頃の自分はどうだったかなぁとふりかえってみると(ほとんど忘れているけど)、こんな性格の私でも、人前で大きな声で話しかけられたりするのはイヤだったかも、という気もする。かといって、どこかでこそこそ話すような関係でもないしね(笑)。というわけで、おじさま客向けの、図々しい&なれなれしいアプローチは自粛。でも、また来てくださいね。

モノンクル・ブックスの井上さんが、新調の春らしいブルーのコートを着て、これまたおしゃれなブルーの自転車にまたがって颯爽と登場。近況など少しおしゃべりをする。ひととおり回って戻ってこられて、あたたかいお茶の差し入れをいただく。ありがと~。「これからサンシャインに行きます」と、また自転車にまたがって春の道をこいでいかれました。またお会いしましょうね~。

お隣のくしゃまんべさんとは、古本市での出店についてのあれこれのおしゃべり、楽しかったです。王子駅そばのお店にもいつかお邪魔したいです。ブレスレット、とても素敵で心惹かれましたが、ちょっと自粛しました。

いつも親しくしてくださっている親愛なる古本つながりの皆さま、ここでお一人ずつお名前を挙げることはいたしませんが、お会いできて、お話しできて、しあわせでした。

詳しいご報告は(いつになるかわかりませんが)、番頭・風太郎から申し上げます。名ばかり店長=インチキ売り子からは、とりいそぎの御礼&ご報告でした。

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2010年3月21日 (日)

3月22日(祝)は鬼子母神通りみちくさ市へ!!

お知らせが遅れてしまいました。

3月22日(月・祝)、もう明日ですね、とみきち屋はみちくさ市に出店いたします!!

お誘い合わせのうえ、ぜひお越しくださいませ~!!

みちくさ市の全貌をお知りになりたい方は、こちらのお知らせをご覧ください。

手書き地図がプリントアウトできるようになっています。

とみきち屋の出店場所は、14、「花結び」となり個人宅駐車場です。

上記手書き地図とあわせてお持ちになると、どこに何というお店が出店しているか、照らし合わせていただけます。

とみきち屋の出品本は、いつもどおり、100%、番頭の風太郎がセレクトしております。

特集をやると申しておりまして(これもいつものことですが、ほとんどコケる・笑)、そのセレクト本を見たら、私の読んだことがある本が少ないだけでなく、知らない本もずらり。本についてのご質問は、風太郎にお願いいたします。

一部ご紹介しておりますので、風太郎ブログをご覧くださいませ。

昨日から今朝方にかけて、大荒れに荒れたお天気でしたが、今日はまたずいぶん穏やかな春の一日。明日もこのようなお天気になりますように。

鬼子母神では手創り市が開催されています。あわせてお楽しみくださいね。

ブログを読んでくださっている方、どうぞお声をおかけください。お買い上げいただかなくても、ね。多くの皆様にお目にかかれるのを楽しみにしております♪

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2010年3月14日 (日)

『音のない記憶 ろうあの写真家 井上孝治』 黒岩比佐子

すぐれた評伝は片思いの日記に似ている。本書を読んで、まずそう思った。その人が語ったと言われる言葉を集め、残した写真を眺め、書いた手紙を読み、その人と共有した時や思いを持つ人から話を聞き、その人が過ごした場所に降り立ち、そこで見たであろう風景を眺めることで、直接会話を交わすことのかなわない相手の心に思いをはせる。その人に少しでも近づくことができると思えば、どんな小さなかけらでも、どんな断片的な出来事でも拾い集めに行く。そうまでして寄り添いたいという思いを相手に直接届けることはできない。その意味で。

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