著者(か行)倉橋由美子

2006年6月18日 (日)

『あたりまえのこと』 倉橋由美子

あたりまえのこと
倉橋 由美子著
朝日新聞社 (2005.2)
通常2-3日以内に発送します。

『最後から二番目の毒想』も面白かったけれど、本書は文学論に限定されているので、なおのこと面白い。痛快、痛快。

文体が大事という倉橋は、こんなふうに言っています。

文章の巧さは天成のもので、これは歌手の声のよさ、歌の巧さと同じです。残念ながら、文章というものは、大家の書いた文章読本などを読んで修行してみたところで大してうまくなれるわけではありません。文章の下手な人は、たとえば学者になって専門家にだけ読まれる研究論文を書くことならできますが、売文業には向かないのです。ましてや小説を書くことなど論外です。

厳しいっ(>_<) そして、西田幾太郎の文章を例示したあと、「ほとんど寝言」、さらには吉川幸次郎の『徂徠学案』などという難しいものから引っ張ってきた文章を例示して、「これもいささか音痴の人の歌を思わせる文章です」とおっしゃいます。凄すぎ……。

さて、以下の文章を久しぶりにbk1に投稿しました。

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2006年5月29日 (月)

『最後から二番目の毒想』 倉橋由美子

最後から二番目の毒想
倉橋 由美子著
講談社 (1986.4)
この本は現在お取り扱いできません。

本書は、山田詠美が江國香織に推薦した2冊のうちの1冊。もう1冊は吉屋信子の『自伝的女流文壇史』。さて、本書は、著者自身が“毒想”と言っているぐらいだから、それはもう毒に満ちておりますよ。エッセー集なのだが、単行本化されたときのあとがきをご紹介いたしましょうか。

最後にこの本のタイトルについて書いておくと、サティの愛好者ならすぐにお気づきのことと思うけれども、これはサティのピアノ曲「最後から二番目の思想」によるものである。このあと何冊もエッセー集を出す力はもう残っていないように思われる。せいぜいあと一冊であって、だからこれが「最後から二番目」というところである。「毒想」つまり「毒薬的思想」については説明するまでもない。私の書くものはほとんどが毒薬である。ただし、服用すれば正気に返るという効用のある毒薬である。それで、この本の中身を簡単に言えば、「いつも惰眠を貪っているふとりすぎた脳細胞を目覚めさせるための毒言葉」ということになる。もちろんこれもサティの「いつも片目を開けて眠るふとった猿の王様を目覚めさせるためのファンファーレ」に倣ったものである。残念ながら、長すぎて本の背表紙に収まりそうにないので、タイトルにするのは諦めた。

このように作者の言うエッセー集。山田詠美も「まいりました」と言う一冊。痛快ですよー。ぜひご一読を!!

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