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2018年10月10日 (水曜日)

義父逝く。

10月8日から9日に日付が変わる少し前、義父の心臓が鼓動を止めた。夫と私の見ているところで。我が家より少し離れたところに住む義弟夫妻がしばらくして到着。死亡確認の時点では、義母と同じ月命日である9日になっていた。義母が呼んだのだ。

朝から義弟家族5人とわれわれ夫婦が交代でずっと付き添っていた。20:00で面会時間終了。SATは60台にまで下がっていたが、状態が変わらないので、看護師さんに「何かあったらご連絡します」と言われていったん帰宅した。23:00過ぎに病院から電話。SATが下がり、脈も弱まってきた。急いだほうがよさそうだ。もしかしたら間に合わないかもしれないと。義弟に連絡し、急いで病院に行き、我々は辛うじて間に合った。

昼間皆に会えたので、安心して逝ったのだろう。「こっちには皆いるからね~。向こうにはおかあさんがいるから怖くないよ~。安心してね~」と声をかけ、19:00から20:00頃、夫と2人になってからは、手を握ってずっと歌を歌っていた。「おとうさん、次は第九を歌いまーす。♪は・れ・た・る・あ・お・ぞ・ら……」。「次は、うーん、ブラームスの交響曲一番ね」。「えーと、そうだ、クリスマスのときに必ず歌っていた、きよしこのよるを歌うね~」。「それじゃ、時期外れだけど、ついでにお正月の歌も」。「えーっと、子守唄も歌ってみようかなぁ。♪ねーむれー、ねーむれー、はーはーのーむーねーにー」。「子守唄続きまーす。♪眠れ良い子よ~。庭や牧場にーーー、鳥も羊もーーー、みんな眠ればーーーー」。息苦しい義父の息づかいと、このモーツァルトの子守唄の8分の6拍子が実によく調和して、義父も私も気持ちがよかった。いや、義父は苦しいのだけれど。その頃は手を握り返すことも、まぶたを開くこともあった。短調の歌を歌うと哀しくなって歌えなくなるのでやめ、♪ふーけゆくー、あーきのよー」とか「はーるのー、うらーらーのー」など、よく二部合唱をした歌も歌った。

母の最期に兄が30分ごとに、腕時計を見ながら、SATと呼吸回数を「1、2、3……」と声に出して数えてはグラフをつけていたなぁと思い出す。義父は病院だから数えるまでもなく電子表示されている。昼間は、35、40、ええっ、50? みたいな感じで、とにかく呼吸回数の多さに驚いていたのだが、夜中は母と同じ状態に。既に一桁に落ちていて、そして心拍数は落ち続けて……。最期にやはり大きく口を開いて息を吸い、二度と吸い込むことはなかった。夫が義父の左手を握り、顔を覗き込んでいる最中だった。

義母が逝ってちょうど1カ月。七七日も過ぎていないからそのあたりにいて、義父の手をぐいと引っ張ったのだろう、「パパも早くいらっしゃい」と。怖がりの義父は義母に連れられ、皆に見送られて旅立った。義母94歳10カ月、義父96歳6カ月。本当に激しく刺激に満ちた生涯を送った両親だったと思う。お疲れさまでした。長いあいだお世話になりました。そして、本当に可愛がってくださって、ありがとうございました。

義母のときと同様、葬儀屋さんにて段取りを義弟夫妻とともに。今度は、祖母(義父の母親)と同じ葬儀屋さん、同じ斎場で一日葬とすることにした。祖母の葬儀から早26年。人生は長いようで、元気な時は短いんだなぁ。すべてのものがいずれはついえる。永遠に変わらぬものはない。そう思って生きているつもりでも、とりあえず明日はあると思ってしまう。。命は結果としてつながっていくものであって、予め保証されているわけではない。元気なときも、元気のないときも、大切な時間。かけがえのない時間。何度目か、何十回目か、何百回目かわからないけど、そう思った。

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コメント

ご愁傷様です。
とみきちさんと風太郎さんの様子を読む度に
どこまで自分の親の面倒をみたか、
今自分は義理の親の世話をしていると言えるのか?、
自分はどんな年齢の重ね方をせねばならないか、を考えます。
書き切れない途方もない多くの事を正面に受けとめ、最後に
長い間お世話になりました。そして、本当に可愛がってくださってありがとうございました、と言えることを尊敬します。
自分ももう全速力で走れるわけはなく、身体と相談しながら仕事をして
楽しいことを先送りせず過ごしています。
落ち着きましたら、風太郎さんお借りします。
ご一緒にして頂けたらさらに嬉しいです。
まだまだすべき事は山積していると思います。
ご自愛ください。
お疲れ様でした。風太郎さんにもお伝えください。

投稿: えんたか | 2018年10月10日 (水曜日) 12:46

>えんたかさま

いつもお心に留めてくださって、ありがとうございます。
驚くべき勢いで義母が義父の手を引っ張ったようです。
途中、えんたかさんにご所見を伺いたいと考えたこともありました。
でも、この年齢になれば、あとは医療云々よりも寿命や運命によって最期は決まる、とも思いました。

自分を大切にすることが、人を大切にすることにつながる、という気がします。
自分を粗末にしたら、自分以外の人を大切にする余裕など生まれませんよね。

笑顔とユーモア。人生を楽しめる健全な心と体。
努力しないとすぐになくなってしまいそう。
「楽しいことを先送りしない」。
大賛成です。

あっという間に両親が旅立ってしまった風太郎の心に、穴があかないように、せっせとエネルギーを詰めようと思います。
えんたかさんもお力を貸してください。
風太郎もえんたかさんのコメント、拝読しています。

コメントをありがとうございました。
お会いできる日を楽しみに!

投稿: とみきち | 2018年10月11日 (木曜日) 03:36

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