2016年10月22日 (土曜日)

ちょっとおかしな日本語(誰に向けた文章なのか)

おかしな日本語、久しぶりに見つけました。

20161020
「お受取り後、お申込みいただいたご本人様にすぐに開封していただき、枚数・公演日時などにお間違いがないかを必ずご確認ください。」

基本の文型は「○○してください」ということだから、読んでいる人に向けた文章であるはず。

動詞がたくさんありますね。

・受け取る

・お申込みする

・開封する

・確認する

えーっと、「お受取り後、ご確認ください」が、修飾語を抜いた、骨格の文章。

向けられているのは、「受け取った人=確認する人」です。

「お申込みいただいたご本人様に開封していただき」となっているので、「受け取った人」と「申し込み本人」は別人、という前提なのでしょうか。

「本人に開封していただいてくれ」と、「受け取った人、確認する人」に言っていることになります。だから、「受け取った人」は「開封する人」ではないのです。

しかし……

「(間違いがないかを)ご確認ください」と言われているのは「受け取った人」なのです。

「受け取った人」は「申し込みした本人」ではなく、「開封する人」でもないのに、「確認する人」にならねばならない。

難しい……。

こういうことを言いたいのかなぁ。修正してみます。

「お受取り後、お申込みいただいたご本人様(ご自身)がすぐに開封して、枚数・公演日時などにお間違いがないかを必ずご確認ください。」

どうでしょう。こうすれば受け取った人が本人かどうかは、問題でなくなりますよね。

まあ、「お受取り後」がそもそも不要とも言えます。

「お申込みくださったご本人様(ご自身)がすぐに開封し、枚数・公演日時などにお間違いがないかを必ずご確認ください。」

敬語がおかしなところに入るから、誰が誰に対して言っているのかが不明瞭になったと思われます。

「お申込みいただいた」
「開封していただき」

「いただく」が曲者ですね。

「○○してください」ということを丁寧にお願いする場合は、「くださいますようお願い申し上げます」と言うか、「○○していただきますようお願い申し上げます」とするか、でしょうね。

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2013年6月13日 (木曜日)

無法地帯宣言?

ちょっとおかしな日本語

以前から見かけていて、写真を撮りたいと思っていました。


Photo_2


塗りつぶしたところには、所轄の警察署と、市の名前が。

警察と市がつるんで、堂々と無法地帯宣言?

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2013年5月15日 (水曜日)

初めての言葉 【苦いお茶を飲まされる】?

初めての言葉 【苦いお茶を飲まされる】?

オーラルヒストリーを起こしていたら、インタビュイーがこういう表現を使われました。
気持ちはわかりますよね。でも、私は苦いお茶好きだしなぁ。

テープ起こしの仕事で、こういうときに要求されることは……

・話し手の真意は何かをくみ取る
・より的確な表現あるいは正しい表現は何かを考える
・正しい表現にこっそり修正するか、実際の発言どおりに起こすかを選択する

の3つです。

まず、大切なのは、正しい日本語を知っていることです。そうでなければ、悩む必要がないです。悩まずに起こすのであれば機械と同じ。

同趣旨の表現として、いろいろな候補を頭に浮かべます。

  ①煮え湯を飲まされる
  ②苦汁をなめる
  ③苦汁を味わう
  ④辛酸をなめる

おそらく「苦いお茶」の「苦い」は、「苦汁」もしくは「苦々しい思いをさせられた」といった「苦」の語感から来ているのでしょうね。でも、繰り返しますが、苦いお茶って美味しいし、別にそれを飲ませたからって悪意があったとまでは言えないことですし、ニュアンスがだいぶ違ってきます。

文脈からどの程度の「苦さ」だったのかによって、「煮え湯」「苦汁」では表現が強いかな、などあれやこれや迷います。

もう一つ大切なのは、発言どおりに起こすことによって(正しい日本語ではないわけですから)、読み手に真意が誤って伝わる恐れがないかどうかを考えることです。

真意が誤って伝わりそうな場合は、何らかの補足をします。しかし、「苦いお茶」くらいでしたら、雰囲気は伝わるかな、という気もします。かつ、ものすごく恥ずかしい日本語知識の勘違い、というわけではないので、私は、以上のことをあれこれ考えた結果、そのまま「苦いお茶を飲まされた」と起こしました。

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2012年12月 9日 (日曜日)

気持ちはわかるけど……

「マリー・アントワネットに別れをつげて」という映画が、12月15日からロードショーなのだそうです。新聞の広告を見ました。よくあるように、試写を見た人の感想が載っています。ご紹介します。

あのベルサイユ宮殿の中で右往左往したようにスリリング
マリー・アントワネットの武勇伝は
私の中で
あの革命によって別れをつげた

しゃべるときは、こういうふうに文法的におかしな文章になっていることはしばしばです。というよりも、おかしいことのほうが多いのです。が、これ、某有名女優さんの言葉として全国紙に載せているのですよ。

主部は「武勇伝は」、述部は「別れをつげた」です。武勇伝が誰に別れをつげたのかわからないし、「あの革命によって」がどこにどうかかるのかも不明。。。気持ちはわからないでもないですが、表現の巧拙の前に、文法的にもう少しどうにかならなかったのでしょうか。

隣のコピーが……

たった3日間の中で
繰り広げられる出来事が、
教科書にも載っていない
裏歴史を残酷な片思いを通じ
垣間見る事が出来る。
興味ある歴史書。

さらに壊滅的です……。

主部は一見、「出来事が」、述部は「垣間見る事が出来る」ですね。見事な主述の不一致。かつ、「裏歴史を残酷な片思いを通じ」がまた宙ぶらりんな副詞句として存在しています。いや、「[試聴者は]裏歴史を垣間見る事が出来る」というふうに、主語が途中からすり替わっているのでしょうか? そうなると、「繰り広げられる出来事が、」の存在意義が全く無くなってしまいます。そもそも「残酷な片思いを通じ」は困ったなぁ、という存在です。

主述の不一致のみならず、着地点がなく受け止めてもらえない主語が宙ぶらりんに放っておかれたまま、一つの文章の中で主語がリレーされていく例もよく見かけます。

しかしね、これもまた有名な俳優さんの言葉として紹介されているのですよ。百歩譲って一般視聴者の方ならまだわかります。それでも、普通は全国紙に掲載する映画の宣伝広告に、こういう日本語は載せませんよねえ。どうしちゃったのか……。

ついでに言うと、「3日間の中で」も、「間」と「中」がダブっていますから、できれば直したいです。

それにしても気になるのは……

この広告に責任を持つのは、配給会社なのか、広告代理店なのか。舞台裏はわかりませんが、プロとしてどうなんでしょうか、この仕事。ここまでのものはなかなかありません。

日本語は難しいです。

テープ起こしの仕事では、話し言葉を書き言葉(読める言葉)に直していくので、こういう文章にしょっちゅうお目にかかります。そのたびにさりげなく直しています。

  ◆◇◆◇

これから「ちょっとおかしな日本語」を見つけたら、不定期にご紹介していきたいと思います。

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